無機化合物（むきかごうぶつ）は、炭素原子を主成分としない化合物の総称です。有機化合物が炭素と水素を基本とする化合物であるのに対し、無機化合物は広範な元素とその組み合わせで構成されています。以下は無機化合物についての基本情報です：

無機化合物の特徴

1.主成分:

・炭素原子を含まない化合物が多いが、一部例外もあります（例: 二酸化炭素(CO₂)、炭酸塩(CO₃²⁻)など）。

2.構成要素:

・金属、非金属、希ガス、半金属など、周期表のほぼすべての元素が含まれる。

・イオン結合、共有結合、金属結合を含む多様な結合様式。

3.分類:

・酸化物: 酸素を含む化合物（例: 水(H₂O)、二酸化硫黄(SO₂)）。

・酸: 酸性を示す化合物（例: 塩酸(HCl)、硫酸(H₂SO₄)）。

・塩基: 塩基性を示す化合物（例: 水酸化ナトリウム(NaOH)）。

・塩: 酸と塩基の中和反応で生成される化合物（例: 塩化ナトリウム(NaCl)）。

・ハロゲン化物: ハロゲン元素と結合した化合物（例: フッ化カルシウム(CaF₂)）。

無機化合物の性質

1.物理的性質:

・高い融点や沸点を持つものが多い（金属酸化物や塩など）。

・一部は電解質として水に溶解し、電流を通す（例: NaCl）。

2.化学的性質:

・酸化・還元反応、沈殿反応、酸塩基反応など、多様な反応を示す。・

溶解度や安定性は結晶構造や結合の種類に依存する。

応用例

無機化合物は科学、工業、医療などで幅広く利用されています。

1.日常生活:

・台所塩（塩化ナトリウム）。

・炭酸飲料（炭酸水素ナトリウム）。

2.産業用途:

・セラミックスやガラス（シリカ(SiO₂)）。

・肥料（硝酸アンモニウム(NH₄NO₃)）。

3.医療分野:

・抗酸化剤（過酸化水素(H₂O₂)）。

・X線造影剤（ヨウ化物）。