熱処理炉の用途
1.焼入れ(やきいれ):材料を高温に加熱し、その後急冷して硬度を向上させるプロセス。焼戻し(やきもどし):焼入れ後の材料を再加熱して硬度と靭性のバランスを取るプロセス。
2.焼鈍し(やきなまし):材料を高温に加熱し、その後ゆっくり冷却して内部の応力を除去し、延性を向上させるプロセス。
3.浸炭(しんたん):材料表面に炭素を浸透させて表面硬度を高めるプロセス。
4.窒化(ちっか):材料表面に窒素を浸透させて硬度と耐摩耗性を向上させるプロセス。
熱処理炉の種類
1.バッチ炉:一定量の製品を一度に処理する炉。小ロット生産や多品種少量生産に適しています。
2.連続炉:製品が連続的に炉を通過することで、大量生産に適した炉。
3.真空炉:酸化を防ぐために真空中で処理を行う炉。高品質な部品の処理に使用されます。
4.雰囲気炉:特定のガス雰囲気中で熱処理を行う炉。酸化防止や浸炭・窒化に利用されます。
熱処理炉の要素
1.加熱方式:電気加熱、ガス加熱、オイル加熱などがあります。
2.制御システム:温度、時間、雰囲気を精密に制御するシステムが必要です。
3.断熱材:高温環境に耐える断熱材が使用され、エネルギー効率を向上させます。
4.冷却システム:焼入れや焼戻しの後の冷却を迅速かつ均一に行うシステムが必要です。
応用分野
・自動車産業:エンジン部品やトランスミッション部品の強度と耐久性を向上させるために使用されます。
・航空宇宙産業:航空機部品の耐熱性と軽量化のための材料処理に使用されます。
・工具・金型産業:工具や金型の寿命を延ばすための表面硬化処理に使用されます。
生産用熱処理炉は、材料の特性を制御するための重要な技術であり、さまざまな産業分野で不可欠な役割を果たしています。