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ステンレス銘板

ステンレス・エッチング銘板について

ステンレスエッチング銘板は、ステンレス鋼の表面にエッチング(腐食)加工を施し、文字やデザインを浮き彫りにすることで作られる銘板です。ステンレス鋼は耐久性が高く、錆びにくい性質を持っているため屋外や厳しい環境でも使用されることが多い銘板です。

ステンレスエッチング銘板の作成

1,デザイン作成: 銘板に表示する文字やデザインをデザインソフトウェアで作成します。フォントやレイアウト、サイズなどを指定します。

2,ステンレス鋼の選定: 使用するステンレス鋼の種類や厚さを選びます。ステンレス鋼はさまざまな種類があり、用途に応じて適切なものを選ぶ必要があります。

3,マスキング: ステンレス鋼の表面にデザインを転写するために、マスキングフィルムを貼ります。マスキングフィルムはエッチングに耐える特殊な素材です。

4、エッチング: マスキングされたステンレス鋼をエッチング液に浸し、特定の時間放置します。エッチング液はステンレス鋼を腐食させる性質を持っています。放置することで、エッチング液がマスキングされていない部分に浸透し、文字やデザインを浮き彫りにします。

5、洗浄と仕上げ: エッチングが完了した後、ステンレス鋼を洗浄してエッチング液を取り除きます。その後、仕上げ作業を行い、銘板の見た目を整えます。これには、研磨や塗装、サンドブラストなどの手法が使われることがあります。

ステンレスエッチング銘板は、耐久性が高く、酸や塩基、さらには屋外の厳しい環境にも耐えることができます。そのため、産業、船舶、など様々な分野で使用されています。また、デザインの自由度も高いためオリジナリティのある銘板を作成することも可能です。

ステンレス板>  <エッチング> <エッチング液

ステンレス・エッチング(腐食)

エッチング凸彫り
凸エッチング銘板
エッチング凹彫り
エッチング銘板凹部分に色付け

エッチング> 食品機械・食品加工機・給食設備・菓子製造機・屋外用機械装置など各種銘板

ステンレス・エッチング(腐食)銘板の特長

◆エッチング銘板は、彫り込まれた凹部分に塗料を充填し焼付塗装のため耐候性に優れています。

◆長期間経過し塗料が薄くなっても、彫り込まれた凹部分が残り文字・ライン等は判明できます。

◆ステンレスは、鉄にクロームとニッケル含有素材のため錆びに強く海辺地区等に利用されます。

◆事例・・・機械銘板制御盤銘板・公共用銘板・寄付御芳名板・奉銘板、寄贈銘板・説明銘板等。

エッチング凹彫り
エッチング凸彫り

ステンレスエッチング工程

1、前処理 = ステンレス素材の付着した油脂や酸化物での要因による仕上がりのムラを防ぐためステンレス素材の油分除去の脱脂。

2、 レジストコーテング = 被処理物表面の一部を樹脂などで保護し、処理をしたあとに保護膜を剥離するためのレジストを塗布。

3、プレベーキング =  表面処理などのプレベーキング工程後乾燥させます。全面に均一な厚さのレジスト膜を形成します.

4、露光 = 露光装置を使って製版したフイルムの表裏パターンを露光します。光を当てて感光させ転写します。

5、現像 = 現像することにより紫外線の当らなかった部分が除去されます。ネガ の像を光や薬品で処理する。

6、 ポストベーク = 焼きつけし、レジスト膜の強化を行ないます。化学的処理ににて保護膜を形成し表面の 安定化を図る。

7、 エッチング = エッチングし、レジストの除去された部分を腐食します。エッチング液で腐食剤を噴霧し不要部分が除去する。

8、レジスト = 被処理物表面を保護していたレジスト膜を除去。保護膜を剥離することで、被処理物の所望の部分のみエッチング。

10、食刻された凹部分に塗料を充填、凸部分はステンレス地のまま残します。

11、外形仕上げ = 仕様に応じて、指定サイズの切断・四隅のR取り・取付け用のビス孔あけ、プレス抜きなどで仕上げます。

12、検査 = 完成したステンレスエッチング銘板全数検査を行い出荷ます。

①ステンレス板材料
表面の油分除去
①Stainless  steel
②表面保護剤塗布
フォートレジスト
②passivation film
③製版フイルムから
パターン露化
③pattern
④ネガ現像
紫外線照射
④developing
⑤化学反応で腐食
電気化学的反応
⑤ heat-treat
⑥レジスコートを除去
不要な部分の除去
⑥scavenge
⑦表面に凹凸形成
文字部分が凹になる
⑦etching
⑧耐食性皮膜構成
色充填し焼付塗装
⑧fill up

ステンレスエッチング用語

酸化物 = 酸素とそれより電気陰性度が小さい元素からなる 化合物。 酸素と,それ以外の元素との二元 化合物。

レジスト =主に工業用途で使用される、物理的、化学的処理に対する保護膜、及び その形成に使用される物質である。

感光 = 物質が光の照射を受けて反応し、物理的, 化学的な変化を起す。光および物体が発した光を感光剤に焼き付る。

紫外線 = 太陽からの日射、波長により、赤外線、可視光線および紫外線に分けられる。可視 光線よりも波長の短いものが紫外線。

ネガ = フィルムに明暗が逆になった画像が写ったもの。プリント時に再反転されることで普通に見られるポジ、陽画となる。

腐食剤 = エッチング腐食凹版技法に使用する酸性度の高い液体。意義素類語腐食を引起こす性質を有する強い酸またはアルカリ。

防食処理 = 反応物質と金属表面を遮断する塗装や鍍金(めっき )など,金属表面処理による環境遮断で金属の腐食を防ぐ処理。

◆マスキング = 着色 作業時に塗りたくない部分にあらかじめ覆い作業の 対象にしたくない範囲を保護するために覆うテクニック。

ヘアーライン = 表面に髪の毛のようなスジ模様の入った素材。ステンレスに研磨材を使って一定の方向に連続的な筋目を つける。

◆梨地 = ブラスト加工により被加工物の表面に無数に生成する凸凹 、装飾的効果の外妨眩・滑り止め・キズ隠し・光の散乱など。

◆ブラスト加工 = 表面に砂等の 研磨材を吹き付ける加工法。金属、石材、木材、ガラス等の物理的表面処理。

鉄にクロムが混ぜて、クロムが酸素と結合してステンレスの表面にうすい酸化皮膜ができる、この皮膜はあらゆる媒体を遮断します。酸化皮膜は傷ついても酸素や水があればすぐに新しく再生され、さびの発生を防ぎます。この不動態皮膜によって、いつまでもステンレスを美しく保つことができます。ステンレスに不動態皮膜を付ける表面処理であり、その目的は耐食性の向上錆びないようにするためです。 ステンレスは非常に錆びにくい素材になります。不動膜は、金属の表面なのでステンレスに限らず、酸化膜が形成された膜。金属の表面に酸化した被膜ができ、内部を酸による腐食や、酸化などから保護する状態になります。

酸化物> <電気陰性酸化物

ステンレス銘板は、多くの産業や用途で利用される材料で、その特性にはさまざまな長所と短所があります。

長所

耐久性: ステンレスは非常に耐久性があり、腐食や錆に強いため、長期間使用できます。特に屋外や湿気の多い環境で効果を発揮します。

耐食性: ステンレス鋼はクロム含有量が高く、酸やアルカリに対する耐食性が非常に優れています。そのため、化学工業や海洋環境などで広く使用されています。

美観: ステンレスの光沢や仕上げは、美しく、見た目が良いため、高級感を求める場面でも好まれます。鏡面仕上げやヘアライン仕上げなど、さまざまな表面処理が可能です。

メンテナンスの容易さ: ステンレスは汚れや指紋がつきにくく、清掃も簡単です。特に、公共の場や医療施設での使用に適しています。

耐熱性: ステンレスは高温に耐える能力があり、高温環境でも形状や強度を維持します。

短所

コスト: ステンレス鋼は他の金属材料に比べて高価です。特に、大量に使用する場合や、大型の銘板を製作する場合は、コストが問題となることがあります。

加工の難しさ: ステンレスは硬く、加工が難しい材料です。切削や成形には特殊な工具や技術が必要で、製造コストが上がる可能性があります。

重量: ステンレスは比較的重い材料です。軽量化が求められる場面では、他の材料が選ばれることがあります。

磁性: 一部のステンレス鋼は磁性を帯びることがあり、特定の用途では問題になることがあります。

腐食のリスク: ステンレスは耐食性が高いものの、塩素環境や海水に長時間さらされると腐食が発生するリスクがあります。適切なグレードのステンレスを選ばなければならないため、環境に応じた材料選定が必要です。

これらの長所と短所を考慮しながら、用途や環境に応じた適切な材料選定が重要です。


ステンレス・エッチング銘板の事例

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