「消音器」の主な仕組みと活躍場所
2015年10月16日
賑々しい”夏”から”秋”へと季節も移れば日の傾きも早まり、ちょっと寂しい感じもしますが落ち着いて「読書」というのも良いものです。
建物からの生活音や自動車などの排気音も時代の進化に連れて静かになっています。
生活音ならば「建物自体の密閉性」「防音ガラス」などご近所への配慮をされているご家庭も多いようです。
自動車も電気自動車の普及、ハイブリッド車の静寂性が影響してか交通量の多い箇所でも騒音としてのレベルも軽減されているようです。
*** 動けば音は出る…
音といえば「振動によって」「摩擦によって」「空気の流れによって(風をきる)」など発生源はいろいろですが、私たちの耳には「音(波)」として入ってきます。(音圧というものもありますが…)
機械を稼働させれば、モーター音・材料を打ち抜く音・エアーで吹き飛ばす音・製品のぶつかる音…こういった音は結構大きな音として聞こえてきます。
(慣れてしまえばそれほどでもないでしょうが…)
また、小さな音でも気になることがあります「蚊の羽音」「時計の秒針の音」…
当たり前なことですが息をするにも「ハーハー」と聞こえることがあります。
音の発生源の工夫(息の場合は力加減で)で、また伝わっていく過程において軽減をすることでその大きさは加減することもできます。
しかし「口で呼吸する」「鼻で呼吸する」方法で聞き比べれば明らかに「口で呼吸」する方が呼吸音は耳に入ってきます。
*** 大きなまま出させない工夫…
上図は「排気音」を入力させ消音器内で音を軽減させ出力させる主な方法の簡略図です。
【何もしない】ストレートに通過すれば、当然いくらかレベルは低くなっても変わらない音量であることは分かります。
・入出力の管よりも大きな(広い)または、細い(狭い)空間に放出・反射・共鳴させることで減音させる
・消音器内で「消音板」に反射・共鳴させることを繰り返して排気することで減音させる
・「入力される管」と「出力される排気管」の位置をずらしその間に反射板などを設置することで反射・共鳴させて 減音させる
・グラスウールやスチールウールなどの詰まった中央に孔の開いた排気管を設置することで各箇所より放出されるが グラスウールやスチールウールにより音が吸収されて減音するなどなど。
「音」には共鳴というものも活用できるのが特徴でしょう。
「音」同士がぶつかることで打ち消しあう効果が発生するのは「音波」というだけあって “波” という証でもあります。
また「グラスウール(ガラス繊維)」の効果は音の軽減に加えて、消音器の内部構造にかかる振動や衝撃を吸収することも期待できるので自動車など振動の多く発生する箇所での活用がされています。
「グラスウール」では比較的高い音(周波数)の軽減が期待されます。
(細い”ガラス繊維”に音という振動が伝わることで吸音されていきます)
ただし「グラスウール」は耐熱性などはあるのですが、音による振動を吸収するため”耐久性”の問題が出てきます。
こういった特殊な素材を使用しての防音などは室内にも施工されている方も多いのでは?
ご家族の中で「ピアノ」「ギター」「ドラム」などの楽器を演奏している方がいらっしゃれば、ご近所さまへのマナーとしてこういった防音処置は必要です。
難燃ウレタン製・発砲樹脂・シリコンなどで壁や床などに使用したりするものが多く、パーテーションのように仕切り板としても使用すれば効果があります。
壁の空間に設置するものや、楽器や音源の近くを取り囲むようなもの、また「円盤状」「板状」のものもあります。
表面に”ピラミッド型”や”迷路のような模様”がありこれらの形状により吸音・反射・共鳴をして「防音、遮音」の効果を発揮するものもあります。
*** 使用する場所のいろいろ…
消音装置の大小に関わらず使用されている場所は身近にも多くあるはずです。
工場などの施設では「振動や大きな音」は近所への影響を考慮すれば対策をとっておかねばなりません。
大勢の入院患者さまを収容されている病院、飲食店を含む大型商業施設など建物の大型化も進み、機械周りだけでなくそのダクトまわりでも「消音装置」は活用されています。
特に病院・商業施設ではお客(患者)様に快適に利用していただけるように「音」「冷暖房」「煙・ニオイ」などの対策は必須です。
使用される「エアコンの室外機」、「換気扇のダクト」など音もニオイも熱も放出されています。
機器自体が大きくなれば出る「音」も大きくなることでしょう、一般家庭で使用するそれらとは規模が違います。
(一般家庭用でも室外機の運転音は気になりますよね)
自分では気にならないコトが他人様には「とんだ迷惑」となるケースが多いようです、対策が後手後手にならないようにしましょう。