工業用パイルの製造工程と用途。
2016年2月12日
(パイルを使った製品の一例:「ぬいぐるみ」)
女性の方は日常的に、化粧品を使われる事と思います。
実は、その化粧品には、多くの場合「パイル」と呼ばれる工業用の繊維製品が
使われているのです。パイルは、工業製品や日用品に幅広く利用されています。
では、いったいパイルはどうやって作られ、またどのように使われているのでしょう?
以下、「パイル」の製造工程です。
1・主にナイロン繊維を用途に応じ、0,3mm、0.5mm、0.8mm~1mmにカットし
2・染色処理(オーナーさんのオーダーに沿った「色見本」と同様、均一になるように
合成着色料液に漬け、その後、乾燥処理を行い染色する。
3・選別機にかけ、長さの誤差を修正し、(選別処理)パイルを均一にする。
4・検品:糊着した厚紙にパイルを貼り付け、均一になっているか確認する。
以上が作業行程となります。
では、この工程を経たパイルが、どのような用途に用いられるのでしょうか?
1・工業製品用部品:自動車の内装用部品、エアコンのエアダスター用部品など。
2・家庭用品:化粧品(マスカラ、パフなど)、ぬいぐるみやケースなどの表面生地など。
最後に。製造工程で特に重要な作業は、選別処理といわれます。
なぜなら、この工程でパイルが均一にならなければ、それはすなわちロス=無駄になってしまうからです。
選別処理は機械的なものではなく、いわゆる「感仕事」と言われています。
手で触ってコンマ単位の数字を感覚で正確に叩き出さねばならず、それは温度や湿度にも左右されます。
日本の町工場の職人の技が、結局ここでも「要」となるのです・・・・。