カタツムリの殻から汚れない壁が!
2017年3月7日
むかしは触れたけど、大人になって触れなくなった物ってありませんか?
私は昔は釣りや虫取りなんかが大好きで大学も生物学科でしたが、その時によく実験生物の餌にミルワームやコオロギなんかを飼育していたのでそれ以来それらが苦手になりました。
そんな話を友人としていたら友人はカタツムリがダメだと言っていました。なんでも大量発生した地域に住んでいたとかで。
そんなカタツムリですが、みなさんは汚れたカタツムリって見たことありますか。実は汚れたカタツムリって結構レアなんですよ。
カタツムリの殻には特殊なギミックが搭載されており、少しの汚れなら雨で簡単に落ちてしまうのです。
そんなギミックを応用して汚れない壁なんかが開発されているから驚きです。
ではそのギミックを見ていきましょう。
カタツムリの殻はサンゴと同じ成分でできています。具体的にはアラゴナイトとタンパク質の複合素材です。
殻の厚さは0.1mmほどで薄い層状になっています。
最表面層は硬タンパク質でできているため、本来なら水よりも油になじみやすいはずなのです。
しかしカタツムリの殻に油は付着しにくい特性を有しています。
なぜかと言うと殻の表面に約0.5mm幅の溝に加え、さらに細かい約0.01mm幅でしわ模様が形成されていたのです。
つまり数ナノから数ミリサイズまで広範囲にわたって凹凸構造が作られているのです。
この凹凸に雨どいのような役割を果たし、汚れがついても殻の表面に水が入り込み水膜を作り油汚れを浮かして洗い流すという寸法なのです。
汚れない壁の原理もこれと同じでもともと汚れにくい性質を持っている壁タイルに数十nmのシリカ系ナノ粒子でコーティングすることでカタツムリよりも1000倍以上細かく規則的な凹凸構造を作ってやるのです。