PC-9801が2016年未来技術遺産に
2017年4月28日
2016年に重要科学技術史資料(未来技術遺産)にNEC PC-9801が「日本で最も普及した16ビットパソコン」として登録(第00221号)されました。
登録の対象となったNECのPC-9801は1982年10月に登場したNEC独自のアーキテクチャを持ったパーソナルコンピュータです。
PC-9801は16ビットのパソコンです。
PC-9800シリーズの初代機です。
PC-9800シリーズとはNECパーソナルコンピュータが開発・販売した独自アーキテクチャのパーソナルコンピュータの製品群のことです。
1982年10月発売というと筆者が産まれる前の製品ということになります。
以前マイクロプロセッサ誕生について電卓の記事で調べました。
そのマイクロプロセッサの進化の歴史の過程も含めて追ってみようと思います。
PC-9801について
PC-9801はCPUにNEC自社製のμPD8086というIntel8086・8088互換5MHzの16ビットのものを搭載していました。
他にも割り込みコントローラに16ビットのマイクロプロセッサIntel8080・8085・8086の周辺LSIであるi8259A(カスケード接続)を使用しています。
DMAコントローラにi8237を使用するなどPC-9801はインテルの8086のファミリチップを採用しています。
GDC(Graphics Display Controller)は8色カラー表示です。
16ビット外部パスとは抜き差しが出来る16ビットのCバスを採用したものです。
CバスとはNECのPC9800シリーズに搭載されていた拡張スロットで、16ビットの互換Compatible Bus拡張スロットのことです。
「ROM」とはリードオンリーメモリーの略で「読み出し専用メモリ」のことです。
RAMメモリは128KBです。「RAM」とはランダムアクセスメモリの略で「書き込み可能メモリ」のことです。
(現在のスマホの最新機種にも使われている用語なので要チェックです。)
PC-9801は高速な日本語表示のためにテキストVRAMを搭載しています。
PC-9801は普及していた8ビットPCと交換性のある役割を果たすソフトウェアN88-BASIC(86)を搭載しています。
これは、それ以前のNECの8ビットパソコンやPC8000シリーズ・PC8800シリーズの資産を継承できるような仕様になっているということです。
その上で高速化のために16ビットマイクロプロセッサを採用するといった仕様になっていました。
NEC PC-9801のマイクロプロセッサはIntel8086
マイクロプロセッサにIntel8086が採用されています。
Intel8086は当時パーソナルコンピュータに広く採用されています。
最初のマイクロプロセッサは4ビットでした。Intel4004というプログラム制御できる電卓を意図した論理設計から始まっています。
そして8ビットの世界初のマイクロプロセッサIntel8008ができました。
8ビットのマイクロプロセッサまではワイヤードロジック方式という制御方式でできていました。
そして後に16ビットのマイクロプロセッサIntel8086が登場します。
16ビットのマイクロプロセッサからマイクロプログラム方式を採用するものが出はじめます。
(「PC-9800シリーズ」、「マイクロプロセッサ」、「Intel8086」wikipediaから引用)