シャープペンのはじまり
2017年6月16日
シャープペンシルは、細い黒鉛の芯を繰り出して用いる機械式筆記具のことです。略称でシャープ、シャーペンなどとも呼ばれるのが一般的になっています。
由来
シャープペンシルと言う名前は、日本の登録商標「エバー・レディ・シャープ・ペンシル」に由来していますが、アメリカではそれ以前からEversharp Pencil(エバーシャープ・ペンシル)と言う呼び名がありました。これも元は登録商標です。
エバー・レディ・シャープ・ペンシルは電機メーカーのシャープの社名の語源にもなっています。なおアメリカではmechanical penncil、イギリスではpropelling penncilと呼ばれています。また黒鉛の芯を使う筆記具の総称として一括りpencilと言うこともあります。
歴史
確認された最古のシャープペンシルは1791年に沈没したHMSパンドラから見つかっています。実際の発明はこれより前に遡ると考えられています。1822年イギリスのジョン・アイザック・ホーキンスとサンプソン・モーダンが繰り出し式のシャープペンシルを発明し、特許を出願しました。
サンプソン・モーダン社のシャープペンシルは純銀や金によって作られており、軸の後端には宝石や貴石がちりばめら、そこに封蝋に印をつけるための家紋やイニシャルを彫りこむことが出来ました。
日本においては1870年代後半にアメリカ製やドイツ製のシャープペンシルが輸入されるようになり、これを手本としたものが東京の金属細工職人によって手工業で作られ始めました。1900年代初めには機会が導入され1920年代には軸が樹脂で作られるようになりました。その頃には海外への輸出も行われていました。
早くは1886年に2件の特許が出願されており、その後多数の特許が出願されています。当時使われていた機構はドロップ式や、押し出し式や、繰り出し式(スクリュー式)などがありました。
比較的最近の発明かと思えるシャープペンシルですが、なんと100年以上の歴史があることにびっくりしました。これからも日常的に使用するシャープペンシルですが使うたびに歴史の重さを感じながら使うことになるでしょう。