水素液化技術を通して考える
2019年10月4日
水素を燃料とする手法が日本の製造分野でも見られます。
水素燃料電池・水素燃料電池仕様の自動車などがそれです。
豊田自動織機は水素燃料電池仕様のフォークリフトを導入しています。
2019年5月執筆現在は、まだまだガソリン車・ハイブリッド車が主流です。
考えてみるとガソリンを燃やして自動車が日夜駆け巡っているわけで、これからいきなりピュアEVの電気自動車に全て一気に変わるということも大変なことだと感じます。
そうした時に水素を燃料とする燃料電池や燃料電池車両が補助的に普及することも意義深いことのように考えられます。
ただ水素は理想を言えば、環境負荷の課題解決のために、再生可能エネルギーによってつくられた水素を活用しなければ、環境のためにもなる次世代燃料とはなり得ません。
技術的には、もう実用的な段階まで、少しずつ研究が進んできています。
ですが水素は位置付けとしては、代替エネルギーで、再生可能エネルギーではありません。
液化した水素を活用
川崎重工業は水素液化の技術開発を進行させています。
水素をセ氏マイナス253度に冷却して液化することができるといいます。
液化された水素は800分の1の体積まで縮小させることできます。
川崎重工業は再生可能エネルギーの電力で水素を冷却して、液化し、縮小してタンクに貯蔵して運ぶ新しい水素エネルギーの実用技術を提案する戦略です。
2020年の商用化を目指しているといいます。
クリーンエネルギーでのインフラ普及は環境目標でもあり、近年では経済の課題や目標にもなってきています。
ただこれは理想として先進国の一部で呼びかけられているのが現状で、今後国際的な枠組みでもさらに進展していくことが望まれます。
筆者としては今後、もしかしたら環境目標が経済目標とも重なってくるのではないかとも考えたりしています。
再生可能エネルギーの活用や、クリーンエネルギーでつくられた水素などが今のところ環境に対して有望視されています。
もしクリーンエネルギーでできた水素が比較的安価で活用できるとすれば燃料としては可能性があると期待されます。
LNG液化天然ガスの貯蔵・輸送・CO2コストの比較的少ない火力発電などは、比較的はやく日本でも導入・活用されました。
原発事故以降のエネルギー事情がそれだけ背中を押したという背景もあると考えられます。