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日本国内のクルマへの新たな燃費規制から考える

2019年6月上旬に、経済産業省と国土交通省が新車販売の新しい燃費規制をまとめました。
それによると、国内の新車販売について経済産業省は2030年にEV電気自動車・PHVプラグインハイブリッド車の販売の割合を20~30%に高める目標を定めました。
内容は大まかにガソリン車・HV(ハイブリッド)車燃費向上に関する規制と、上記の通り将来の新車販売のEV・PHVの占める割合についての目標%がこの新しい規制に盛り込まれました。
他には、この新しい規制は、EVやPHVにも1回の充電で走行可能な距離を測って(燃費の代わりに)「電費」も燃料規制の対象となるとも定められました。
ちなみにこの電費は、火力発電などの電力供給による電力を生む際のCO2排出についての分を燃料消費として換算するといいます。
この「電費」という用語と考え方はまったく新しいと考えられます。

環境問題に対応するための規制は、ヨーロッパの国が先行している印象があります。
しかし、今回の日本国内での新車販売に対する燃費規制はそれにおくれをとらないレベルであると考えられます。
実質の%で、2017年度新車販売における約30%を占めるハイブリッド車が、2030年までにはそのままの割合がEVもしくはPHVに買い替えられていないと、目標は未達となってしまう数値です。
CASEに対応する開発投資費用がかさむ中で、燃費や電動車への対応も迫る流れとなっており、自動車を取り巻く環境は複雑になってきています。
電気自動車化が加速する中で、使う電気の中身はこれから問題となってくると考えられます。
今回の規制はそれに先手を打つかたちであり、電力の発電の中身も重要視されてゆくのだということを実感します。

ちなみに6月上旬には米Apple社のWWDC2019も開催されました。
Appleはその基調講演でアメリカで「Car Play」というクルマのカーナビゲーションシステムのOSが普及している成果を発表していました。
ハードウェア・ソフトウェアに強いメーカーが、サービスを新たな柱として視野に見据えて、クルマの世界に参入するのは自然なことなのかもしれません。
また「Maps」もアメリカ国内のデジタル地図がさらに充実したという発表もされました。
音声認識AI「Siri」のスピーチ性能の強化や、手を動かせないユーザー向けの音声操作機能「Voice Control」なども発表されました。
ものづくりの視点かはまだ不明ですが、ハードウェアとソフトウェアを研究開発してサービスを考えて追求していくと、とにかくそのサービスの中身は、より「ボーダレス」になるのかもしれないとWWDC2019基調講演を視聴していた筆者は感じました。
それは、コンピュータからものづくりをスタートさせたAppleも、もしかしたら自動車のメーカーも、そうした潮流の流れの中で生きようとしているのかもしれません。