手打ち鍛冶師の仕事
2013年12月20日
先日82歳になる現役の鍛冶職人の紹介をテレビで見ました。
この道67年の職人さんは、自転車でゆっくりと鍛冶場へ出勤してきます。
温厚そうな物腰でお話をされるのですが、いざ鎚を握ると曲がった腰もシャッキリと目つきも鋭くなります。
地金となる軟鉄をコークスの約1000℃の熱で焼きます。
真っ赤になった軟鉄に鍛接材(硼砂・酸化鉄の粉)を接着剤代わりにふりかけます。
芯になる鋼ともう一枚の軟鉄をのせて再度熱します。
鎚でしっかりと叩き伸ばして、大きさをこの段階で決め、2・3日自然に冷まして安定させます。
刃をつける部分を残して全体に泥水を塗ります、これは焼きムラを防ぐために泥水を塗ります。
7~800℃の熱で焼き、頃合を見計らって水へ浸けて焼入れをします。
砥石でしっかりと刃を研ぎ出したら柄をつけて完成です。
焼き入れは刃の硬度が増すそうです。
焼きもどしをする事で刃に粘りが出て欠けにくくなるそうです。
炎や焼けた刃物の色を見て火の加減をしたり、水に入れるタイミングを計る様は経験に裏打ちされた技です。
機械でも同じような製品は作れるでしょうが、同じ品質のものを作ることは難しいのでは?
刃物の街、岐阜県関市でも手打ちで包丁を作る最後の職人といわれています。
どんな注文の包丁でも作る事が出来るその腕は、工作機械以上ではないでしょうか。