接着剤の種類と用途
2014年1月17日
ホビー用途から工業用まで、いろいろな場面で大活躍している接着剤にはいつもお世話になっていますね。
接着剤の原材料の詳細を調べると、用途が区分されるのが理解できます。
【酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤】
市販の木工ボンドがなじみ深く、紙接着や繊維・木工・合板用などにも使われています。
酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤は、酢酸ビニル樹脂エマルジョンを主成分とする接着剤。
水の蒸発により樹脂の粒子が融着して透明な皮膜状に硬化・接着する。
安価かつ塗布が容易でいろいろな用途に対応するが、耐熱性・耐水性・耐溶剤性は劣る。
【ポリスチレン樹脂溶剤系接着剤】
ゲル状の液体で、プラモデル用接着剤として使われる。
ポリスチレン樹脂溶剤系接着剤は、ポリスチレン樹脂を主成分とする接着剤。
【ポリビニルアルコール系接着剤】
木工・紙接着用途として液体のりです、俗に言う洗濯のりとしても知られています。
ポリビニルアルコール系接着剤は、ポリビニルアルコールを主成分とする接着剤。
水が蒸発すると透明な膜を形成して硬化・接着する。
【ポリビニルピロリドン樹脂系接着剤】
棒状に形成したスティック糊は使いやすく、文具・事務用として広く普及している。
ポリビニルピロリドン樹脂系接着剤は、ポリビニルピロリドン(PVP)樹脂を主成分とする接着剤。
水溶性のPVPに脂肪酸ナトリウムを添加・固形化させ、グリコール類を加え滑性を付け足したもの。
通常では低粘度だが塗布時に力を加えると粘性が生じる。
【ポリベンズイミダソール接着剤】
ポリベンズイミダソール接着剤は、芳香族複素環ポリマーに属するポリベンズイミダソール(PBI)を主成分とする接着剤。
350℃程度に加熱して硬化・接着させます。
350℃以上という接着剤として最高レベルの耐熱性を持ち、航空宇宙産業や電気産業分野にも需要が高まっています。
【ユリア樹脂系接着剤】
ユリア樹脂系接着剤は、尿素を主成分とする接着剤。
縮合反応させた尿素とホルムアルデヒドのシロップ状水溶液に少量の塩化アンモニウムを硬化剤として添加して硬化・接着させる。
固形分濃度により濃縮型と未濃縮型に区分される。
耐久性は劣るが耐水性があり、安価で作業性が良いため合板などの木材用接着剤として使われています。
【ニトロセルロース接着剤】
ニトロセルロース接着剤は、セルロースのエステル系誘導体のひとつであるニトロセルロース(硝化綿)を主成分とする接着剤です。
液体状で乾燥・硬化が速く、皮革・紙・木材・瀬戸物などの接着に適します。
お馴染みのチューブ状家庭用接着剤として1938年から販売されていますが、変色しやすく可燃性なため取り扱いに注意が必要です。
瞬間接着剤などは便利で入手しやすいので重宝します、どのご家庭にも一つはあるはずです。
でも便利だからといって、何でもかんでも同じ接着剤で済ませてはいけないのですね。