「ヤスリ」ってどうやってつくるのか?
2014年12月2日
写真:女性のオシャレのひとつ「ネイルケア」。 切ったら爪ヤスリで「削る・磨く」大事な作業ですね。
職人さんから日曜大工のお父さんまで「ヤスリ」は欠かせない工具の一つです。
この「ヤスリ」ですが、目といわれる表面の仕上げ方もいろいろとあり、使用するシーン(用途)に合わせて選べば能率も上がります。
専門的に扱った事がない方(私など)のため「ヤスリ」の事を見てみましょう。
「ヤスリ」を作るトコロから「目」の種類まで…
ヤスリは主に鋼から製造されます。(普通鋼・炭素鋼・炭素工具鋼など)
おおまかなヤスリの大きさに切り出して、カタチを作っておきます。
「焼きなまし」といって約500~600℃で一定時間加熱して取り出し、徐々に冷ましていきます。
(この工程で使用する鋼の材質に均一性を持たせる事もできます。)
さらに表面をキレイにしておき「目をたてる」工程へと進みます。
「目」というのはヤスリの表面(形状によっては横面も)に一つ一つ目を入れる事です。
この工程は今もな人の手と目によって行われているものが多く、化粧用(爪用)などでは繊細な目を立てるには人間によるものの方がキレイに仕上がります。
この「目」立てにはいくつか種類があります。
・表面に斜めまたは横一文字に目の揃った「単目」
・「単目」加工の状態に斜めの目を入れた「複目」
・三角のように引き起こした形状の「鬼目」
・「複目」の目を少し変えた「シャリ目」
などが主に作られています。
日曜大工程度なら「単目」「複目」のものがあれば何とかなるでしょう。
作業として使用するなら「鬼目」のものもあれば作業がしやすくなるはずです。
この「目」を立てたあとは何と!!「味噌」を塗ります。(味噌汁に使うあの味噌を使います。)
工場や職人さんによって内容は違いますが、味噌には硝酸や食塩水などが加えられ「ヤスリ」に塗られて乾燥させます。
乾燥させた「ヤスリ」を約700℃に熱して、すぐに水などに浸けて急速に冷まします、これを「焼き入れ」といいます。
この時に「味噌」を塗っていないと不純物などが目に詰まってしまい、製品にならなくなってしまいます。
冷めた「ヤスリ」はサンドブラストやブラシなどを使用して表面のカスなどを取り除けば完成となります。
肝心なのは「ヤスリの目」と「使用するシーン」…
使用する目的でヤスリの目も選びたいものです。
チョコっとやる分なら紙ヤスリを使うのも手軽で良いですね。
また木材用や鉄工用、プラスチックやガラス用などもありますので目的によって使い分ければ作業もはかどります。
のこぎりやチェーンソーの「刃を研ぐ」目的で使用するヤスリもあるので何でも使いまわすのは避けたいですね。
荒目~中目~細目と使用すれば仕上がりは格段に違ってきます。
作業で使用している方なら分かるはず、きちんと作業すればキチッとしたモノに仕上がるんですよ。