木材に必要な「乾燥」を見極める職人さんの眼力
2015年6月2日
木材を使用した製品の出来上がりは職人さん、携わった方々の熟練度によっても味わいが違ってきます。
天然の材料から製作するものは同じ品質で統一することは難しく、大量に必要な場合は何かを犠牲にしなければなりません。
*** 木材を使用することの大変さ…
ある木工製品を作成している職人さんは材料の木材の乾燥に約5年以上もかけています。
その乾燥させた木材を製品へと加工していくのですが、木材の乾燥具合でも加工に影響してくるのだそうです。
機械での加工では一定の力で刃が入るので、時には刃が食い込んでしまい仕上がりに影響が出てくる場合があるのです。
手作業では職人さんによる力の加減ができるので「木目を活かし」「目に逆らわない」柔軟な加工ができます。
これらの技術は「熟練の技」ですので、長年にわたる経験や勘で見極められます。
*** 木材は生きていますのでまず乾燥させてひとまず安定させたいのですが…
材料として木材を使用する場合には「乾燥」という過程を経る必要があります。
乾燥させれば当然出てくる「収縮」ですが、この収縮による “曲がり””割れ” に悩まされてしまうそうです。
構造物にはたくさん木材が使われます、その木材に「曲がり」「割れ」などが出てしまえば大変なことになります。
「曲がり」などの変形が出た場合は、ある程度進んでおさまった状態から必要な部分を切り出すことになります。
また「曲がり」と同じく厄介なものが「割れ」でしょう、この割れには木工用ボンドを塗っておくことで広範囲の割れを抑える方法や、割れが始まった箇所に「くさび」を打ち込んで割れを先に作っておくことであらぬ方向への割れを防ぐこともできるそうですが、これらは「豊富な経験」と「勘」が頼りだそうです。
乾燥には時間がかかります(当然です)、今は機械による人工乾燥という技術があります。
1週間の機械乾燥は、約2年間の天然乾燥と同じ効果があるとされています。(条件や設定にもよります)
「急いで(慌てて)こしらえるのは問題あり」これはどの現場でも共通する事柄です。
母材から必要寸法の材料を切り出すことは簡単ですが、乾燥による変形・割れなども考慮しなければならないのは天然の素材ならではですね。