いろいろな石油製品と製造(精製)について
2015年6月19日
コンビナートには用途に応じて精製された石油製品も貯蔵されています
われわれの日常生活で「石油製品」のない生活は考えられないでしょう。
石油の精製には「重油(※1)」を始めとして、さまざまな石油製品が作られています。
※1 重油も精製過程(蒸留・ろ過など)での残りの油をJIS規格によって配合して作られています。
その配合によってA重油、B重油、C重油と3種類に分けられています。
*** すべては重油から…
重油はまず「常圧蒸留」という工程で沸点の違いにより分けられて目的のものへと変わっていきます。
・燃料として欠かせない、ジェット燃料・ガソリン・軽油・灯油も重油から「脱硫(※2)」という工程を経て精製されます
・「潤滑油」も重油を常圧~減圧~潤滑油精製して製造されます
・アスファルト、ナフサ(石油化学製品)、LPガスも重油から精製されるものです
また除去された「硫黄化合物」も肥料などへの利用がされています。
※2 重油の常圧蒸留後にはほとんどすべての硫黄分を取り除きます。
水素などを添加することで硫黄・窒素などの化合物の分解を行います
硫黄分が残ると性能の低下や燃焼時の大気汚染やニオイの発生などが問題となります
*** 用途によって違う精製…
「常圧蒸留」という工程では沸点の違いでの精製される製品も違うと触れました。
360度で加熱した重油を専用の常温蒸留塔といわれる施設(タンク)で温度の差による蒸留を行います
タンク内で加熱された重油ば当然「蒸発」します、蒸発して上る蒸気(油分)は冷めれば当然下降してきます。
その際にタンクの上から温度別に残留できるようにしておけば温度差による分別(分留)ができます。
高い位置から「LPガス」「ガソリン・ジェット燃料」「軽油」「アスファルトの原材料」と分けられます。
それぞれにまた精製過程(※3)があるのでその処理を行えば製品となるわけです。
※3 酸化防止剤などの添加物の配合、常圧蒸留過程~減圧・溶剤・水素による脱硫
ガソリン精製時には有害な「ベンゼン」の除去も必要になります
燃料・潤滑油などの石油製品は使用すると排出するガスが環境問題とされています。
硫黄酸化物などの排出を押さえるためにも石油精製時にはこういった過程が必要になってくるのですね。
(NOX…窒素酸化物、SOX…硫黄酸化物は大気汚染の原因となります)