「リニア」「超伝導」の仕組み
2015年7月24日
リニアの速さだと今までみたいに車窓からの風景をのんびりと楽しむことができなくなりそうな…
有名玩具メーカーさんがJR東海の「リニア(L0系)」をモデルにした鉄道のおもちゃを発表しました。
磁力による浮上や走行ができるもので本体は2mm程浮いてコイルによる磁力の作用で走行するものです。
おもちゃの仕組みもだんだんと本格的になってちょっと動かないからといっていじると却って壊してしまいそうです。
*** リニアモーターカーの仕組みは?…
“リニア” という言葉を聞くと「あ~、磁石で浮くヤツでしょ…」と言ってしまいます。(でもその後が説明できません)
「磁石(=磁力)で動く」というのは正解でしょうがその原理や応用がどうなっているのか見てみましょう。
工作などでも使用する「モーター」は本体に固定された磁石と、コイルの巻かれた芯が内側にあり、コイルに電流を流して磁力を発生させることで回転します。
この仕組みは大体理解できるはずです、これを「リニアモーターカー」全体に当てはめれば…
・モーターで回転する “芯” を本体(車両)とします。
・地面(=線路)には磁石(=コイル)を固定して配置します。
大きく見れば構造はモーターの中身と同じ仕組みではありませんか。
モーター本体の「固定された磁石」と「線路上の磁石」は同じ意味合いです。
また、モーターの回転する「芯」と「車両に搭載されたコイル」も同じ意味合いです。
「リニアモーター」とは本来 “直線的な運動をするモーター” ということです。
知ったかぶりで「浮く」といってしまうとちょっと説明が足らなくなってしまうのですね。
*** 「浮く」って言いたい!!!…
「浮く」って言っちゃた以上浮いてもらわないといけませんね。
カンタンに言えば、浮く原理も磁力による反発の力を利用すれば良いのです。
線路の側壁にはコイルが上下2段に配置されていて車両の磁力と「反対の磁力(上段)」と「同じ磁力(下段)」を発生しています。
この作用によって「違う極同士で引き合う力」と「違う極同士で反発する力」で浮上・安定した中央位置の確保ができます。
*** 超伝導は何か…
よく聞く「超伝導リニア」というキーワードである「超伝導」とは何でしょうか?
電線などの物質を極限に近い温度(臨海状態)にすると「電気抵抗がゼロ」になります。
普段電気が流れれば発熱とともにロスが発生します、臨界点では電気のロスがない状態での運転が可能となるものです。
また超伝導体に “磁石” を載せても「引き合う」「反発」といった作用は働かず、その場で浮上しています。(マイスナー効果)
これまでは「液体ヘリウム」による-296度を臨界点としていたのですが現在では「液体窒素」による-196度で行えるようになりました。
「液体窒素」により超伝導状態を作ることでコストも抑えられることに繋がりました。
超伝導のメリット・・・
・電気抵抗がゼロなので効率が良くなる
・安定した強い磁場を作れる
・切り替え(スイッチ)の反応がとても良い(制御しやすい)
ということです。
※ 超伝導=超電導、同意義として使用しています。
今回の「リニアモーターカー」のような場合には「超電導」が使用されています。