「顕微鏡」: 普段あまりご家庭では使用しないもののひとつではないでしょうか。
2015年8月4日
テレビ番組などで顕微鏡を使用した映像を目にすることがあります。
それが何の研究かはわからなくても言わんとしている事は理解できるような気がします。
「顕微鏡」は普段の生活では、めったに(まずありません)使用する機会もありませんが「無ければ困る」モノでもあります。
顕微鏡も「光学顕微鏡」「電子顕微鏡」とありますがどう違うのか見てみましょう。
*** 光学顕微鏡 ***
試料そのものを見る(観察)ことができる
細かい組織やその構造などの観察には限界がありますが、肉眼で見えるものから1μm辺りまでの観察ができます
凸レンズにより光源からの光の屈折度を利用して、試料の表面を拡大させて観察します
*** 電子顕微鏡 ***
真空下での観察となりますので生身の生き物の観察はムリです、薄くスライスした試料などが対象です。
光(光源)ではなく電子を照射してその「透過」「反射」などのデータにより観察するもので、その分「高精度」な観察ができます。
1nmよりも小さなものまで観察できます…現在では49pm(ピコメートル)までの観察ができるそうです。
電子顕微鏡では電子レンズ(※1)による電子の様子を観察する仕組みです。
※1:電子レンズ:コイルに電流を流し、できた磁場により電子の収束をするものです
コイルに電流を流せば磁場が発生します。
この中を「電子」が進んでくるのですが「電子の進む方向」「コイルに流れる電流の方向」が平行であるので、電子は「フレミングの左手の法則」の作用で方向を変えます、さらに向きを変えた後も磁場の密度の低い方へと進みますのでコイルの中で「らせん状」に進むことになります。
コイルを進むうちに光軸への力も弱まるので一点へと集まります。
・・・その集まった電子を利用して観察する方式でも「透過電子顕微鏡」「走査電子顕微鏡」があります。
○透過電子顕微鏡:電子レンズで収束した電子による「透過」「反射」のデータを観察するため、組織の構成など細かく観察できる。
ただし「透過」させるため試料を薄くスライスしておくことが必要になります
○走査電子顕微鏡:電子レンズ収束した電子やX線などを試料に照射してそのデータを検出してモニターで表示するので試料の表面の観察ができる
*** 夏休みに観察日記をつけた方もいらっしゃるでしょう…
小学生くらいの頃は “虫眼鏡” などでいろいろと観察してまわった記憶があるでしょう。
高学年にもなると「顕微鏡」を使用しての授業もありました、そのとき目にした植物やプランクトンはとてもキレイに見えました。
人間の目(裸眼)での観察ではせいぜい「0.1mm」程が限界だそうです。(注:個人差もあります)
新素材・新薬の研究開発や、物理・化学・生物・医療などの分野にも欠かせないアイテムです。
装置もすごいのですがそれを発見・観察している人たちもすごい「目」を持っていらっしゃるんですね。