キレイな「板ガラス」の作り方
2015年10月30日
冷え込む日が続くとこれくらいの結露は当たり前です。
寒い季節にはガラスの内側に「結露」が発生してお困りの方もいらっしゃるのでは?
我が家の「冬」は、朝から窓拭きということも多くあります。
面倒ですが水滴を拭き終えた「窓ガラス」はキレイで気分も良くなっちゃいますよね。
*** キレイな窓ガラス…
ガラスは珪酸を多く含んだ珪砂や石灰石・炭酸ナトリウム・カレット(リサイクル原料)などからできています。
約700℃を超えると段々と柔軟になり、900℃~1300℃という高温下で溶解されていきます。
※ 溶解炉は約1600℃だそうです
この際一気に溶かすのではなく徐々に高温にしていくのです。
これは溶けて流動性を持った時、気泡を持ったままではクリアな製品にはなりません。
ですから次工程である成型工程で作業可能な温度へと全体を調整し、気泡などの除去もしているのです。
[板ガラスにするには]
きれいになったガラス材料は「溶けた錫」の上へと流されます。
錫は比重がガラスよりも重くちょうど “水と油” のような感じでガラスを浮かび上がらせてくれます。
この際ガラス材料を送り込む速度を調節することで厚さの調節もできるのです。
送り込まれ押し進むような工程ですが、途中で温度を下げていけば徐々に冷やし固めることができる。
約800℃~600℃になった材料は200~300mもあるラインをゆっくりと冷却されながら進みます。
その後サイズごとにカットされていきます。
カットされた「ガラス板」は吸盤を使用した機械によって吸着され移動・積載され出荷されます。
[製法もいろいろ]
以前は職人さんが大きな円筒状の吹きガラスを作りそれをカットして高温下で板状に伸ばしたり、
ローラーで溶解された材料を伸ばしながら送り出す(*1)という製法もあります。
*1:水平方向に「送り出す」方式と、垂直方向へと「引き上げる」方法があります。
*** そういえば”結露”のコトは?…
先述の “結露” ですが、皆さんも発生のメカニズムはご存知でしょう。
おおまかにいえば外気温と室内温度との差によるものです。
温度の高い側(室内)には多くの水分も含まれていますので外気との境にあるガラス窓に水滴が「結露」として発生してしまうのです。
年齢が高くなると「寒がり」になってしまうせいか冬には暖房器具が大活躍します。
その分翌朝の “結露” は大変なものです、ガラス面だけでなくレールの周囲にまで水滴が…
雑巾でガラスやレールの水滴を拭き取るだけで “一運動” したくらいにポカポカになりますがこれが「良いのか悪いのか???」