日本刀を作る技術
2015年12月4日
ホンモノは触っただけでも産毛が切れてしまう程の切れ味だということですが…
日本刀というと切れ味の凄さが際立っていますが、重さも結構あります。
時代劇のように華麗に振り回すのは体力的にもツライ事でもあります。
*** まずは素材から…
日本刀の素材は「鉄」です、砂鉄を木炭で燃焼させて得られた鋼で製造していきます。
砂鉄は木炭の燃焼で加熱され、銑鉄や鋼や鉄といった炭素量のそれぞれ違う性質を持ったものへと分けられます。
鋼の中でも「玉鋼」が日本刀作りには必要なのですが、
ある量の「砂鉄」よりできる「鋼」は使用した砂鉄の約20%で、その「鋼」のうち約30%が「玉鋼」となります。
その中でも “硬さのある” 「皮鉄」と “粘りのある” 「芯鉄」に分けられます。
炭素量の少ない順に「鉄」「鋼」「銑鉄」と分けられた「鉄」や「銑鉄」も炭素調整後、鋼の一部として利用されます。
*** 製造の流れ…
日本刀の製造は「鍛錬につぐ鍛錬」そうカンタンには説明ができないものでもあります。
砂鉄より選りすぐられた「玉鋼」はその性質によって「皮鉄」と「芯鉄」に分けられます。
まず「皮鉄」は充分に加熱され槌で打たれて鍛えられます、鏨で半分に折り返されまた鍛えるということを20回ほど繰り返して行います。
さらに、”芯”となる「芯鉄」(同じく鍛錬された)を乗せて皮鉄で包むようにしてさらに鍛え延ばしていきます。
斜めにカットされた先端を打ち整えれば「切っ先」ができます、さらに刀身には “砥石の粉・松灰・粘度など”を混ぜた「焼刃土」を塗っていきます。
このまま800℃位にまで熱して水に浸けて急冷します、すると「焼刃土」が塗ってあった場所に刃紋ができます。
さらに溝のような “槌” を施します、これは刀自体の強度アップと軽量化のためだそうです。
(時代劇でお侍さんが腰に差している “太刀” は、長さ「2尺(約60cm)」重さは平均で「約1.5kg」だそうです)
王貞治さんは現役時代に日本刀を素振りの練習に取り入れていたそうですね、最初の頃はその重さから筋肉痛になってしまったそうです。
時代劇では片手でブンブン振り回していますが、もしホンモノだったら扱い方には要注意の代物ですよね。