「遊星歯車」って何でしょうか??
2015年12月11日
歯車の組み合わせはいろいろな方法がありますね。
鉛筆を削る時には「刃物」を使っていました。
それが「(手回しハンドル)鉛筆削り器」そして「(電動)鉛筆削り器」と変わっていきました。
刃物で削っていた世代の人には「鉛筆削り器」の登場でとてもカンタンにできるようになりました。
「電動のえんぴつ削り器」を購入したときには、楽しくて新品の鉛筆を一気に短くなるまで削った記憶があります。
*** どのような仕組みでしょうか…
「鉛筆削り器」などの仕組みは、鉛筆を機械に差し込んで、ハンドルを回せば主軸の歯車の回転によって接しているカッターの軸部の歯車も回転します、この回転は鉛筆を削りながらその周りを回っていくことで鉛筆を削っていきます。
ちょっと変わった動きをする歯車の組み合わせ方ですが、こういった歯車の回転の利用方法を「遊星歯車」といいます。
「遊星歯車」:主軸の歯車とその周りの複数の歯車で構成されています。
周りの歯車はそれぞれが回転をしていることと主軸の周りを周回する仕組みになっています。
※ 太陽の周りを自転しながら公転する様を「惑星」になぞらえてこのように呼ぶようになったそうです。
鉛筆削りではハンドルを回して「内歯車」を回転させて「遊星歯車」の回転軸で刃物を回転させて削っていき、中央の「太陽歯車」の回転軸に当たる部分で鉛筆の固定用クリップ部を制御させているものもあります。
*** どのような活躍をしているのでしょうか…
この仕組みを利用しているものには「自転車・自動車」の変速機、掘削機、遊園地の遊具、カウンターなどです。
その例としてハイブリッドカーのミッション機構では、主軸で発電・外輪歯でドライブシャフト(モーター)、遊星部でエンジンの駆動などをしています。
また遊園地の「コーヒーカップ」の乗り物では、アトラクション始動と共にいくつかの座席ごと回転させ、さらに各座席も回転させるというものですが、小さい頃に一度は乗ったことがあるはずですがそういう機構であることは気がつかなかったのでは?
また掘削機(シールドマシン)では、先頭のドリル部分の回転とさらにその先端部分にある小型の回転する砕石部がちょうどこの「遊星歯車」のような回転をしています。
複雑な上に精密な設計とパーツの製作技術が必要になってきますが、動力系での使用ではトルクをコントロールするなどの使用で活躍しています。(自転車の変速機構にも採用されています)
今ではどのクルマも変速はオートマチックが主流ですが、乗り心地がよくなっているのもこういった機構のおかげでしょう。
高速稼働でも騒音が発生しにくいことや、軽自動車の小さなエンジンでも効率よく「パワー」を得られることも特長として挙げられています。