「小売業」の工夫を製造業にも取り入れましょう
2016年1月5日
“モノを作っても売れない時代”は製造業にも影響を与えています。
特に売り上げが伸びない状況下では設備への投資を阻んでしまいますし、仕事量の減少は機械の稼働率も上がらない状態に繋がってしまいます。
「作る現場」ではなく「売る現場」である “小売業” も少子化・ネット通販の台頭・各業態の変化などにより苦戦を強いられています。
*** 大量生産で “売るモノ” はいっぱいある…
小売業はかつての「個人商店(市)」~「商店街」~「スーパー」~「デパート」~「コンビニ」~「複合商業施設型」と変遷をたどっています。
これは消費者のニーズや製造業者・流通業者をも含む “時代や環境の変化” に影響されています。
売れない時代での工夫では、小売業者による「プライベートブランド」の開発・展開で消費者に一流ブランドと同等商品なのに「低価格」での提供といったインパクトを与えています。
肝心な消費者のニーズも「ココに行けば何でもある」といった感覚から「高級志向」へ…そして「いつでも営業している」や電話やインターネットで注文すれば自宅まで届けてくれる「通信販売」へといったように変化しています。
そういった消費者のニーズ・時代の流れに苦戦していながらもしっかりと対応していくのは大変なことです。
さらに最近では多業種・多分野の集まった「複合商業施設型」があちこちで目立っています。
「ワンストップ」・・・そこに行けば欲しいものや受けたいサービスなどが集約されていますので便利です。
主に、飲食・衣類・雑貨・運動施設・家電販売・レジャー関連・金融機関・福祉施設などが集まった施設が人気です。
これまでは競合関係であったり、交流の無かった業種・業界が繋がりを持つようになっています。
そういった施設のなかでも「アウトレット」といった一点ものや工場直売・デッドストックなど消費者へのプレミアム感を付与した販売方法が大変ウケています。
*** 思い切りが必要でしょうか…
小売業はその時々で “消費者のニーズ・時代背景など” によりサービスや手法を改善してきました。
製造業などの分野でもそういったフレキシブルな対応ができないものでしょうか?
最近では、オリジナルのデザインを施した製品の販売など小回りの良さで話題となっている中小企業もあります。
オリジナルの携帯電話ケースや顧客デザインのフィギュア製作、服のリメイクなどのサービスがネットなどでも取り上げられています。
例えばネットオークションなどで入手した時計の修理やレストアなどはメーカーに問い合わせると「費用が高額」であったり、古い機種ではパーツのストックが無く対応できなかったりします。
しかし、修理専門で受け付けている業者さんは部品を一から作るというサービスで見事に蘇らせることができたりします。
「設備がある」+「職人(技術)がある」=ニーズに応えられるということになりますが、その反面で “仕事が有る無い” に関わらず人件費・設備の稼動に必要なコストは負担になってきます。
こうなると下請け専門でやってきた企業では、全体の仕事量は減っても「仕事は出してくれる」という繋がりだけではやっていけなくなってしまいます。
そこで自社で開発・製造・販売という手段に打って出る企業も出てくるわけです。
しかし一からとなるとノウハウも必要になります、そこは今はネット経由での販売ならある程度の手順でその準備も整えられるそうです、またそういった方法で下請けから自社ブランドの立ち上げで経営の維持どころか売り上げの向上にも繋がったケースもあります。
本業の動向を見据えたうえで「異業種」へと希望を求めたプラスチック関連の企業は、自社ブランドで野菜の水耕栽培を手がけるといった試みで話題になりました。
全体ではカンタンには動けなくても、各部署でできることがあればそこがきっかけになることも…