免震構造について
2016年4月19日
この記事を書いている時点(2016年5月15日)の前日の14日の午後9時40分頃、
熊本県を震源とする「横ずれ内陸直下型地震」(震度7)が発生しました。
今も余震は続いていて、予断を許されない状態です。
まずは、地震の被害で犠牲になられた方々のお悔やみを申し上げます。
・・・今回は、巨大地震が現実に起きた事を受けて、
「熊本城の被害が最小限だった事」に着目し、それを可能にした、
「免震性と免震構造」について、考えてみたいと思います。
「免震構造」とは。
簡単に言うと耐震とは、「地震力を受けても壊れない」(耐える)事を指し、
「免震」とは、「地震力をなるべく受けない」(免れる)事を指します。
要するに、地震の振動を「逃がす構造」=「免震構造」と考えられます。
「免震構造の対極的2タイプ」
1・「日本の城の石垣タイプ」
今回の地震での熊本城の被害状況をTV中継で観ましたが、
石垣部分が多少、土砂崩れ状になっている程度で、
城本体は、ほとんど無傷の様に観えました。(詳しい事は分かりませんが)
いったい何が、「それ」を可能にしたのでしょうか?
「石垣が「美味しい寿司の握り米」と同じ状態であるから」
何かの歴史番組で観ましたが、「ワザと不揃いの石を、「上手い具合」」に
積み上げる事で、「石同士が独自に揺れ合い」、「全体の振動を分散させる」
仕組みだそうです。
2・「古代インカ文明のパズル構造タイプ」
インカの首都クスコの石垣は、「緻密に計算、組み合わされて」おり、
主に一番下に小さい石、上に大きい石があり、
大きい石がジグソーパズルの様に組み合わさっている。
地震にはP波(縦波・速い)とS波(横波・遅い)がありますが、
P波に対しては上に重い石を置くことで安定させ、S波に対しては、
小さい石と大きい石の層を分ける事で、小さい石の層を大きい石の層の下でスライドさせ、
「建物への影響を少なくする構造」になっているそうです。
また、大きい石の組み合わせが壊れにくい様に、
ワザとジグソーパズル状にする事で、内側(約2m程度の奥行きがある)でも
互いに組み合わさって、ロックする様になっているそうです。
今回の地震を受けての個人的感想。
九州地方でも、このところ微振が続いていましたが、
「まさか、ここに来るとは・・・。」正直そう思いました。
同時に日常、気が緩みがちですが改めて「他人事ではない。」と思いましたし、
実際、親族には宮城の最も被害の大きい地域の方もいます。
そういう事情もあり私自身、改めて今回の地震を教訓に、
気を引き締めて、ゆきたいと思った次第あります。