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「町工場」の技術の継承が、途絶えてきている。

道具
今、中小企業の現場で異変が起きています。
日本の「物造り」は主に、「下町の中小企業」に支えられています。
その技術は素晴らしく、手の感触など「勘」だけを頼りに
最新の工業用工作機械でも出せない様な、
「極小で正確かつ微細な数字」を叩き出します。
ですが、その「匠の技を継承」する後継者の育成が、
切実な問題となっています。
今、物造りの現場で何が起きているのでしょうか?

はじめに。
いわゆる「町工場」とは、何か?

町工場と聞くと、作業服を着た職人気質な頑固親父が怒鳴りながら、
何かバーナーや電動ノコギリで工業用の部品を作っている。
というイメージがありますし、実際にその通りだと思います。
では、いったい「どこ」から、「どのようにして」その
「部品を作る」仕事を、請け負っているのでしょうか?
以下に、ざっと「町工場」にいたる(主に鉄鋼)製造業界の構造を見てみたいと思います。

1・製鉄所:大元の素材となる「鉄」(鋼材)を製造する会社です。
鉄の大量生産には「溶鉱炉」が必要で、この設備を備えています。

2・鉄工所:鋼材切断アセチレンバーナー等の設備を備えています。
これにより、「鋼材を加工・組み立て」し、「材料」とする会社です。

3・工業製品製造メーカー:「いわゆる黒物、白物家電」や、
(簡単に言うとTV、ブルーレイ・プレーヤーなどを黒物。冷蔵庫、炊飯器、洗濯機などを
白物家電と言います)
業務用の製品などを製造しています。

4・この、「各種、部品」を作っているのが各、「町工場」となります。
(大まかに言うと町工場は、鉄工所から材料を買い、メーカーの注文に沿った加工を施し、
「製品(部品)」に仕上げる。といった流れになるかと思います。)

「町工場は一部技術に特化にした、(大手)メーカーの下請け中小企業である。」
一例を挙げると、新潟に小企業の「磨き屋」会社がありますが、
(磨き屋=金属研磨加工業者の事)この会社の研磨技術が素晴らしく、アップル社の
製品の鏡面加工処理を、一手に引き受けていたのは、有名な話です。

前置きが長くなりましたが、本題に入ります。いま問題になっているのは
これら町工場の「技術の継承」が、「途絶えつつある。」という事実です。

端的に、従業員の「待遇の問題」が原因と考えられます。
大まかには、「熟年工の老齢化」「若手従業員が続かなくて辞めてしまう」
=「技術の継承が途絶える」
という流れになるかと思われます。

(この、「熟練工の技術の継承」を何とかしようと、政府も対策を講じていますが、
それについては、またの機会に書きたいと思います。)