日本のものづくり 漆について
2016年6月10日
最近ふと立ち寄ったお店で食事をいただいた際に思うことがありました。
漆器って普段あまり目にしないけど、改めてみるときれいだなと。
そんなわけで今回は日本を代表するものづくり、漆です。
ウルシとはウルシ科のウルシノキから採集した樹液を加工した、ウルシオールを主成分とした天然樹脂の塗料のことです。
私たちが普段ウルシとして認識しているのは塗料としての漆工ではないでしょうか。
筆者がお店でいただいた食器なんかがそうですね。
ウルシは黒や朱色なんかの発色が美しいですが、
きれいなだけではありません。
ウルシは熱や湿気、アルカリや酸にも強く、腐敗防止や防虫効果があります。
漆器はお高いイメージからかあまり使用せず、お正月なんかの特別なときにしか使わない人もいるのではないでしょうか。
しかしそれは実は間違いで漆器は使ってあげたほうが良いのです。
漆器は上述の通りいろいろな態勢がありますが、紫外線には弱く、またウルシ自体ではなく木地が傷んでしまうことが多いので痛みやすいという印象をもたれやすいのです。
漆器を使うことは簡単です。
ぬるま湯で手やスポンジで洗えばいいですし、油汚れなんかにも中性洗剤がしようできます。洗ったら陶器同様、ふきんで水気をふき取ればオーケー。
簡単に漆器を扱いましょう。
そういえばウルシって手がかぶれたりしたり、
そもそも縁がないとウルシそのものを見たことがないなんて方もいらっしゃるかもしれません。
筆者は学生時代にいろいろ山にこもっていたので見たことがありますが、
たしかに普段普通の生活を送っていれば見る機会はあまりないでしょう。
そんなウルシさんですが、実は食用でもあるのです。
ウルシの新芽をてんぷらや味噌汁として食べることができるそうです。
ただかぶれるイメージが大きいことや、人によっては食べた後に舌がピリピリしたなんて人もいますので、あまり食用ではないようです。
本来は漆職人さんが漆に対する免疫を得るために食べ始めたなんて説もあります。
とここまで役に立つか怪しい情報でしたが、案外知っているようで知らないウルシの世界でした。
今の日本では伝統工芸品のイメージが先行しちゃうウルシですが、
実はもっと親しみやすい素材ということを知っていただければ幸いです。