日本食には欠かせない調味料。醤油編。
2016年8月2日
最近筆者はネット小説にはまっています。
いろんな題材がありますが多いのは異世界物とよばれるジャンル。
そこで料理をするにも醤油が入手できないと嘆くある人物がいました。
当たり前のように家庭にある醤油。
今回はそんな醤油の製造過程についてです。
現在の醤油が作られるようになったのは江戸時代。
時代が移ろうと醤油作りの基本は変わりません。
主な原料は大豆、小麦、食塩、そして微生物です。
微生物が醤油の色や味、香りを決定付けます。
微生物の中でももっとも大事なのは麹菌です。
醤油作りは大豆を高温で蒸すところから始めます。
蒸すことでタンパク質の性質が変化し、麹菌の酵素の作用を受けやすくなるほか、殺菌という意味合いもあります。
そして同時進行で小麦を高温で炒ってローラーなどで砕きます。
これも麹菌の作用を充分にいるためです。砕く作業は表面積を増やし麹菌と接する面積を稼ぐ意味合いもあります。
そしてこれらを麹菌と混ぜ合わせ、製麹室で円盤状の台の上に、均等の厚さになるようにのせられていきます。この台には小さな穴がたくさんあいていて、温度・湿度を調整された空気が送り込まれています。
大体三日ほどで醤油麹が出来上がります。
次は仕込みの工程です。醤油麹に食塩水を混ぜ醗酵・熟成させます。
この食塩水を加えた物を諸味といいます。食塩水の効果で微生物の繁殖が止まり、麹菌のつくった酵素が働きだします。
仕込から1週間ほどで諸味はタンクの中で酵素の効果で大豆のタンパク質がアミノ酸に、小麦のデンプンが糖分になります。
この2つが味の基本成分になります、醤油独特の色合いを作ります。
1-2ヶ月経つと諸味はまた変化します。赤みを帯びあわ立ちます。
これは乳酸菌と酵母の活動の証です。乳酸菌は糖分を様々な酸に変えおいしさを作ります。
そして酵母が糖分をアルコールに変えて香りを生み出し、うまみを引き立てるのです。
そしていよいよ醤油に搾る過程に移ります。
最初は諸味自身の重さで醤油がにじんできます。
その後プレス加工してゆっくりと搾りだします。
この搾ったものを生醤油といいます。
生醤油を数日寝かせ油や沈殿物を分離させたら火入れという工程にはいります。
熱を加え殺菌と同時に色や味、香りを調えます。これは酵素の働きを止めるという意味合いもあります。
これで醤油の完成です。
あとは容器に入れ、検査を行い出荷です。
本当に醤油って手の込んでいる物なのだと改めて思いますよね。
醤油がよりいっそう美味しくいただけるというものです。