チタン製造について
2016年9月27日
わたしはチタンフレームのメガネを使用しています。6年以上故障せずにとても役立っています。
また、自然気胸を患ったときに肺の穴をチタンのクリップで内視鏡手術で止めています。
父方の祖父母も大腿部の骨折をして二人ともチタンの人工骨を埋め込む手術をしています。
おかげで二人とも寝たきりにもならずに済んでいます。
そんな身近に役立っているチタンの製造について調べてみます。
鉱石からチタン原料へ
鉱石から四塩化チタンを精製して高温状態の溶融マグネシウムで還元させて純チタンを作ります。
純チタンの原料にするにはチタン鉱石から不純物を取り除きスポンジチタンという高純度のチタン塊にする必要があります。ウィリアム・クロール博士によって開発されたチタン製造法でクロール法といわれています。
クロール博士は1953年日本によばれて日本のチタンメーカーにスポンジチタンの製造法・製造技術を指導しました。
ですので鉱石からのチタン製造法は第二次世界大戦後に可能になりました。
クロール法とは
「鉱石からチタンを精錬します。炭素と熱して鉄を除いた後、さらに炭素と熱しながら塩素を通じて塩化チタンにして蒸留して精製します。
高温でマグネシウムで還元します。
塩化マグネシウムを真空分離してスポンジチタンを得るというものです。
多孔質金属チタンともいいます。
スポンジチタンは純チタン材の原料です。
途中で真空蒸留で分離させた塩化マグネシウムは塩素、マグネシウムの原料として使われます。」
(クロール法 wikipediaより引用)
チタンの製造過程
チタン鉱石を塩化炉で四塩化チタンにします。
四塩化チタンをマグネシウム還元をしてスポンジチタンにします。
チタンは酸素・窒素・炭素と反応しやすいため真空状態にして精製されます。
スポンジチタンを溶解して(アーク溶解・電子ビーム溶解・プラズマ溶解など)チタンインゴットにします。
インゴットとは金属の塊のことをいいます。チタン金属の塊にすることです。
チタンインゴットを圧延してチタン板材にします。
日本の純チタン材
日本では純チタン材の圧延板が多く製造されています。
それは日本の鉄鋼メーカーが鉄鋼製造用の大型圧延設備を世界で一番早くチタン圧延に活用して製造法を開拓したからです。世界ではチタン合金の開発に先に注力していました。日本では逆に低コスト・高品質の純チタン材製造をして供給を始めて成功させています。