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乾電池

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乾電池を使う機械は昔に比べると少なくなっています。1990年代までは持ち歩きする機械のほとんどは乾電池を使って起動していました。しかし、機械に内蔵する内蔵型バッテリーの発展によって乾電池の用途は限られるようになったのです。今回はその乾電池の用途と歴史についてお話します。

乾電池とは一次電池という分類に入ります。一回限りの使用で使い捨てるものが一次電池、充電して繰り返し使うものが二次電池です。乾電池のサイズの規格は単1形から単6形までありますが、日本では単6形は規格外です。主に単3形と単4形がラジオなどの小型電子機器に広く使われます。蓄えられている電池容量は単3形を基準にすると、単4形の電池容量は約半分、単2形は約3倍弱、単1形は約5 – 6倍となります。主流は単3形ですが、近年機器の小型化が進んだ事や電力消費が抑えられている事もあり単4形の流通量が増え、単1形、単2形は減っているのです。単5形は主に小型のライトや防犯ブザーに使用されます。

使用上の注意は多く液漏れや使用推奨期限が設けられており、更に使用済み乾電池のリサイクルや廃棄なども示されています。

乾電池の発明は特許は1885年にドイツのカール・ガスナー (Carl Gassner) が取得しました。この時の電池は液体電池でした。その後、その電池の性能に不満を抱いた日本の時計技師屋井先蔵が「液体を使わない乾いた電池」を作成出来ないかと考え、より取扱いが簡素でまた日本の寒冷地でも使用可能な時計用小型一次電池「屋井式乾電池」を発明します。

24歳という若さで乾電池を発明した屋井でしたが、資金難のために特許を取得することができず、この功績が評価されたのはかなり後の世になってからのこととなります。1892年(明治25年)日本の乾電池の特許の第一号が高橋市三郎によって取得されます。その後、金銭難から出願できずにいた屋井も乾電池の特許を出願・取得します。1896年(明治29年)アメリカ・エナジャイザー(energizer)社が、世界で初めて消費者向けの乾電池を発明します。そして1909年にタングステンのフィラメントによって、乾電池で動く最初の懐中電灯が登場し、これによって乾電池は小型電子機器の動力として世界中で普及します。その後も乾電池は普及・発展していきましたが、電池のノウハウを基に再充電の技術が生まれ、二次電池の開発、それから二次電池内臓のバッテリーの開発によって小型電子機器の電池は内蔵型電池を主に採用するようになりました。

乾電池が電力だけでなく、今までの開発・技術者達のノウハウも蓄えられているのです。