ディスプレイとテレビ
2017年1月10日
ディスプレイとテレビの違いのお話です。テレビ番組が見れるのがテレビ、パソコンやゲームの画面のを映すのがディスプレイ、と認識している方もいますが、厳密には違います。この2つの違いを説明するにはブラウン管テレビ時代まで遡ります。
ブラウン管テレビ時代には構造上、解像度に限界がありました。解像度とは小さな文字をたくさん表示したり、細かい画像を細部まで表示したりするための表示の細かさの単位です。解像度の数値が高いほどより細かい表示が出来ます。パソコン用ディスプレイは家庭用テレビより解像度が高い傾向がありました。
その一方でかつての家庭用のテレビは、低解像度の荒い映像でも画面のサイズに合わせて綺麗に引き延ばして表示する事や、電波が悪くてノイズがあってもそれを修正する技術に優れていました。
つまりパソコン用ディスプレイとテレビは見た目は似ていますが、元々は画面を映すという機能以外は別物でした。しかし、2000年代に入り、地デジ化とブラウン管テレビから液晶テレビ買い替えのキャンペーンによって、液晶テレビの需要と供給が高まります。これらによって家庭用のテレビが高解像度を求められるようになります。元々PCのディスプレイは高解像度を求めるユーザーが多い傾向がありました。その結果、家庭用テレビでパソコン画面を映す事が容易になり、徐々にパソコン用ディスプレイと家庭用テレビの区別がなくなりつつあります。
ですが、最近では家庭用テレビの多機能化が進んでいます。パソコン用ディスプレイにはそういった多機能は必要がないと見られています。再びこの2つの区別が明確化しつつあるのです。
また、いまの映像はワイド型対応が当たり前となっています。ワイド型とは画面の縦横のアスペクト比(縦と横の長さの比率)が16:9になっているものです。かつてのブラウン管テレビ時代の縦横のアスペクト比は4:3が普通でした。つまり映像が横に長くなったのです。
このワイド型のHD、2K、4Kという解像度の上限の進歩によってテレビの大画面化が進みます。一方で一世代前まではパソコンやゲーム機などもHD解像度まででしたが、PS4proなどの4K対応のゲーム機も増えつつあるので今後2K、4Kのパソコン用ディスプレイが普及する可能性もあります。
ディスプレイとテレビの画面の進化と解像度の向上は密接な関係にあるのです。