電子式コンピュータの歴史
2017年3月17日
ENIAC(画像)
電子式コンピュータの登場は1940年代です。
電子式コンピュータの初期の時代は使用された電子素子が真空管からパラメトロン、そしてトランジスタへと移行して行きました。
はじめに真空管の素子を使ったコンピュータが生まれます。
二極真空管は1905年にジョン・フレミング氏が発明しました。
翌年の1906年にリー・ド・フォレスト氏が三極真空管を発明しています。
世界最初の電子式コンピュータは1946年アメリカ、ペンシルバニア大学が開発し、公表したENIACです。
日本では初めに富士写真フィルムが真空管コンピュータFUJICの開発を1956年に開始して1956年に完成させています。東京大学と東芝は1959年に真空管式コンピュータTACを完成させます。
1940年代~1950年代前半までの真空管方式のコンピュータを第1世代ともいいます。
1948年にアメリカ、ベル研究所がトランジスタを発明します。
1950年代後半~1960年代にトランジスタ方式のコンピュータが登場します。
これを第2世代コンピュータともいいます。
1956年に電気試験所が世界最初のトランジスタコンピュータETL Mark Ⅲを試作し、
翌年1957年に実用機ETL Mark Ⅳを開発していす。
1958年には日本電気がトランジスタコンピュータNEAC2201をつくりました。
1958年にアメリカ、テキサス・インスツルメンツのジャック・キルビー氏が集積回路ICを発明しています。
(この集積回路ICの登場によってまた新しい電子式コンピュータの世代が生まれていくことになります。)
日本人による発明 後藤英一氏が発明したパラメトロン方式コンピュータ
真空管方式の第1世代電子式コンピュータとトランジスタ方式の第2世代電子式コンピュータの間に生まれたのがパラメトロン方式の電子式コンピュータです。
1954年に東京大学理学部物理教室高橋研究室の大学院生だった後藤英一氏が発明をしました。
当時、真空管は寿命が短く、トランジスタは非常に高価でした。当時のその環境の中でパラメトロン方式は発明されました。
しかし、トランジスタに比べて速度が遅く、消費電力が大きいデメリットによって、1960年代では進化したトランジスタにとって代わられます。
発明の順番は真空管、トランジスタ、パラメトロンですがコンピュータで使われるようになった素子の順番は真空管方式からパラメトロン方式、そしてトランジスタ方式でした。