野球グラブができるまで
2017年5月19日
前回、野球バットができるまでを簡単に解説しました。
今回はその続編で、野球グラブができるまでです。
グラブの製造工程は大きく分けて4つに分けられます。
工程1 表皮とパーツの裁断・加工
原皮と呼ばれる牛の背皮から表皮や各部位のパーツを裁断して、各部の厚さを均一に揃えます。
パーツごとの色合わせなどもここで行い、キズや汚れをチェックします。
捕球面に品質を保証するロゴマークを刻印し、その裏側に特殊なオイルと樹脂で2重の層を作ります。
皮の繊維質を固定・保護しつつ捕球時の衝撃などを分散緩和してグラブとしてのフィット感を高めていきます。
工程2 縫製 (指・表皮・裏側)
各パーツを縫い合わせグラブの基本的な形を作っていきます。
最初に指パーツを二枚組み合わせ指の甲を制作します。
指パーツを縫い目にローラーをかけて縫い目を滑らかにします。
次は表皮に指や甲の各部位のパーツを縫い付けます。
この工程を表皮まとめ縫製といい、裏返しの状態で行われています。
ここで初めて指先から順に表向きにして、手の形をしたアイロンにかけて熱処理を行います。
この工程でクラブの基本的な形ができ、膨らみを持たせて装着感を高めていきます。
工程3 表皮・裏側合わせ
表皮と同じ過程で表皮と同じ形に成型された裏皮(内面)を中3本指にフェルト芯を縫い付けた後に上から表皮をかぶせます。
そして自動ハンマーでたたいて表皮と裏皮の密着性を高めていきます。
続いて表皮と裏皮との縁に巻き付けるように皮テープを縫製。
親指と小指にフェルト芯を入れます。
工程4 仕上げ加工
表裏の皮をたたき、捕球面にはグリスを散布し、
縁には皮紐を丁寧に通しながら締め具合を確認します。
そしてグラブの各部を仕上げハンマーでたたき込み適度になじみと癖をつけます。
また硬式グラブでは職人の技により最終形出しや特殊ヒーターによる熱入れ仕上げなどを施します。
これにより指入れ感やフィット感が高まります。
以上が野球グラブの作られ方です。