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ハサミ


ハサミとはふたつの刃でものをはさんで切る道具のことです。形態としては、かしめが支点になっており支点が刃(作用点)と握りの中間にあるいわゆる洋ハサミと、中間部がバネになっており支点が刃から離れている握りハサミ(和ハサミ)があります。
古代エジプトの壁画にハサミやピンなどが描かれており、また紀元前1000年頃の古代ギリシャのものとされるハサミが出土しており、古代から使われていたと考えられている。元々は医療用や羊毛の収穫に使われており、当初は握りハサミが使われていました。
かしめ部がある形式(日本で洋ハサミと呼ばれている形式)が登場したのは西洋では古代ローマ以降の時代、東洋では唐の時代以降だとされています。
日本では6世紀に中国を通して伝わったと考えられており、この時代の古墳からの出土例もあります。古代、中世には主に握りハサミが用いられ、また金属製のものの他に木製のハサミも作られていました。ただ裁断などの用途には伝統的にハサミではなく刃物が用いられていたので、ハサミの普及は職人や華道家など限定的なものでした。

握りハサミ
かしめ部を持たない原始的な構造のハサミです。握りハサミは、通常1枚の細長い金属板の両端に刃がつけられ、これをU字形に曲げて中間部がバネ状にしてあります。英語ではspring scssorsと呼ばれています。日本では和鋏とも呼ばれていますが、日本で発明されたわけではありません。
ただし、現在も広く生産、使用されているのは世界でも日本のみです。しかし、日本でも現代では洋鋏が主流であり、和鋏が使用されるのは糸切り鋏や飴細工用など限定された用途のみで使用されています。

洋鋏
洋鋏は通常2枚の細長い金属板が支点を中心軸として重なり合う構造となっており、それぞれの金属板の内側に向かって刃がつけられ、2枚の刃が交わった部分が閉じていくことで間に挟んである紙や布などが切断される仕組みです。構造的には第1種てこの構造を持っていて、2枚の刃の部分が作用点、刃をつなげる部分が支点、反対側の持ち手の部分が力点となります。
洋鋏は使用していない時には安全のため閉じられていることがほとんどで、先端の刃の部分を覆うキャップやカバーを付けるものも存在しています。

その他にも右利き用、左利き用などがあります。