零細企業での製造
2013年10月25日
家族経営の町工場での事です。
従業員は社長家族+4人の計7人、たまにパートの高齢者の方が2人来ます。
機械は10t~30tプレスが6台、旋盤が2台位でした。
外注さんからの依頼でバリ取りから、曲げ加工や単発の打ち抜き等がメインでした。
トリエタンを使用した精密部品の脱脂作業もやっていました。
特に大量の加工依頼が来るわけではなく、少量の修正や2次加工などがほとんどです。
大きな工場のような自動機などで大量に加工・工作できる環境では大量の部品の生産に追われています、
面倒な修正や中間の加工はこういった町工場などに出されていました。
たまに注文が入る程度の部品などは、大きな工場では金型の管理も面倒になります。
その工場のスタッフさんも「やった事無いから分からないんですよ。」という一面もありました。
単発の部品加工では、材料からの打ち抜きもバリ取りも曲げ加工も一気に準備して行えるので、依頼から納品までが短かったです。
高齢の職人さんがいらっしゃる環境でしたので、手作業での試作品作りを間近で見学できた時は大変参考になりました。
旋盤を微妙に調整をして切削していく様は、多くの経験と長い勘によるものであり、これぞ町工場の真骨頂ではないかと思わされました。
しかし、その手わざはすぐにマネできるものではないので、全てを同じ条件で用意してもらえても同じクオリティのモノはできないでしょう。
金型の設計段階からのアドバイスや、加工処理用の治具作成にも職人さんの腕が発揮されていました。
作る量の多さではなく、対応できる仕事の幅では町工場の方が柔軟性があるのではないでしょうか。