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バイオマス燃料・バイオガス・バイオエネルギー

先日紹介した東北大学大学院農学研究科准教授多田千佳先生の研究開発概要を補足
せっかくなので多田先生の研究開発について少し掘り下げてみたいと考えます。
多田准教授が携わる研究は「温泉熱を活用した生ごみからのバイオマスエネルギー生産」という研究です。
まず拠点が宮城県大崎市鳴子温泉です。
多田先生の研究開発は、生ごみから発酵によってバイオガス(メタンガス)を得るものなのですが、その発酵に最適な温度が35度とされており、その環境を造りだすのに温泉から引いた温水を活用するため鳴子温泉が拠点になっています。
また酪農家・農家にも協力をしてもらっています。
生ごみを発酵させるために必要な微生物を地元の酪農家から牛ふんを貰ってそこから得ています。
牛ふんの中には発酵に適した微生物が含まれています。
そして地元で出る生ごみを提供してもらい発酵させてバイオガス(メタンガス)を獲得します。
発酵後に残った液体は野菜を栽培する農家に作物に提供する液肥への活用をしてもらって役立てています。
こうして得られるバイオガス(メタンガス)を使って多田先生はカフェを経営しています。
ene・cafe METHANE(エネカフェ メタン)というお店です。

バイオガスによる発電事業も興る
テクノシステムという会社がメタンガスによるバイオマス発電事業をはじめます。
発電事業の拠点となるのは熊本県・沖縄県石垣島で、その地域の地元の酪農家に牛ふんを提供してもらい、
それをナノ単位に分解してメタンガスを獲得しバイオマス発電のエネルギーにするものです。
発電後の残りかすは窒素・リン・カリウムなどを含み肥料として農家に活用してもらうそうです。

日本は温泉が多く湧いている国です。
全国各地の温泉地で鳴子温泉での多田准教授の活動のようなかたちで
生ごみから発酵によってバイオ燃料(バイオガス)を得て、発酵後に残る液体も農家の液肥に活用してもらうことで多くの量になっている生ごみのごみの減量・燃えるごみ焼却にかかる重油のコスト減・CO2排出減などの課題解決につながると考えられます。
また企業が牛ふんなどからバイオマスエネルギーを造る仕事も貴重なことです。
上記のバイオマスエネルギー生産活動の共通点は発酵・発電後の残った液体や残りかすは肥料としても活用ができるというところです。
ごみの減量につながることに間違いありません。