リチウムイオン二次電池
2020年2月21日
リチウムイオン二次電池とは
「リチウムイオン二次電池は、正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う二次電池です。
英語ではlithium-ion rechargeable batteryと言います。
正極、負極、電解質それぞれの材料は用途やメーカーによって様々です。
代表的な構成は、正極にリチウム遷移金属複合酸化物、負極に炭素材料、電解質に有機触媒などの非水電解質を用います。
単にリチウムイオン電池、リチウムイオンバッテリー、Li-ion電池、LIB、LiBとも呼びます。」
(「」リチウムイオン二次電池、Wikipediaより引用)
2019年ノーベル化学賞受賞者3氏の研究について
「1976年にエクソンのスタンリー・ウィッティンガム氏は正極に二硫化チタン、負極に金属リチウムを使う二次電池を開発・提案します。
この電池は、正極・負極共に空気との反応性に問題があり実用化はされませんでした。
しかし二硫化チタンは層状の化合物で、リチウムイオンを収納できるスペースを持ち、
リチウムイオンが繰り返し出入りしても形が壊れにくい特徴を持つ物質でした。
この層状化合物にイオンが出入りするという反応は、「インターカレーション」と呼ばれて、
その後の電池材料で広く使われる極めて重要な考え方となっています。
1980年、オックスフォード大学のジョン・グッドイナフと水島公一氏たちはリチウムと酸化コバルトの化合物であるコバルト酸リチウム(LiCoO2)などのリチウム遷移金属酸化物を正極材料として提案しました。
これがリチウムイオン二次電池の正極の起源となります。
旭化成工業での吉野彰氏の研究
旭化成工業の吉野彰氏たちは、導電性高分子ポリアセチレンに注目し、1981年に有機溶媒を用いた二次電池の負極に適していることをまず見出しました。
また1980年に発見されたグッドイナフ氏の正極にコバルト酸リチウムなどのリチウム遷移金属酸化物を用いる手法で、
1983年にリチウムイオン二次電池の原型を創出しました。
しかし、ポリアセチレンは真比重が低く電池容量が高くならないことと、電極材料として不安定である問題がありました。
そして、1985年にリチウムイオン二次電池の基本概念を確立しました。
吉野彰氏のリチウムイオン二次電池における発見について
吉野氏は、
正極にコバルト酸リチウムを用いると、正極自体がリチウムを含有するため、負極に金属リチウムを用いる必要がないので安全であることを見出しました。
V級の高い電位を持ち、そのため高容量が得られることも見出しました。
また、負極に炭素材料を用いると、炭素材料がリチウムを吸蔵するため、金属リチウムは本質的に電池中に存在しないので安全であることを見出しました。
リチウムの吸蔵量が多く高容量が得られることも見出しました。
また、吉野氏は特定の結晶構造を持つ炭素材料を見出して実用的な炭素負極を実現しました。
加えてアルミ箔を正極集電体に用いる技術、安全性を確保するための機能性セパレータなどの本質的な電池の構成要素に関する技術を確立し、さらに安全素子技術、保護回路・充放電技術、電極構造・電池構造等の技術を開発し、安全でかつ電圧が金属リチウム二次電池に近い電池の実用化を成功させ、現在のLIBの構成をほぼ完成させました。」
(「」リチウムイオン二次電池 リチウムイオン二次電池の創出と実現、Wikipediaより引用)
リチウムイオン二次電池における吉野彰氏の発明成果は目覚ましく、
総合的にリチウムイオン二次電池の開発においてご活躍されたことが上記の引用で分かります。