バイオマス燃料
2021年2月19日
バイオマスとは、石油や石炭のように枯渇する化石由来の燃料ではなく、生物由来の燃料です。バイオマス燃料を使用することで枯渇しないエネルギーを得ることが出来ます。植物由来の燃料は成長過程で二酸化炭素を吸収しているため、燃焼して二酸化炭素を排出しても植物が再吸収するためプラスマイナス0、排出していないと同じとされ、このことをカーボンニュートラルと言い環境にやさしいエネルギーと言われています。日本では古くから薪や炭のような形で利用されており、資源の乏しい我が国では、石油、石炭、原子力に次いで4番目のエネルギー資源と言われています。
バイオマス燃料には、木くずや廃材、トウモロコシ、サトウキビなど植物資源を発酵して作るエタノール(エチルアルコール)燃料と、家畜の糞尿、生ごみなど有機物を発酵させガス(メタンガス)を加工して作る燃料とがあります。資源エネルギー庁ではバイオ燃料のことを“動植物などから生まれた生物資源の総称で、これらの資源から作る燃料をバイオマス燃料と呼ぶ”と定義しています。
バイオマス燃料の種類として主に3種類が広く使われています。
バイオエタノール・・・サトウキビなど植物の糖分を発酵、蒸留させて作るエタノ
ールでガソリンと混合して車や飛行機の燃料とし使用さ
れています。混合量によってE5(バイオエタノール5%)
E10(バイオエタノール10%)などと呼ばれています。
バイオディーゼル・・・植物油、廃食用油などにエタノールを加え化学反応させ
燃料化したもので、軽油とほぼ同等です。ディーゼルエン
ジン用の燃料として使用されています。軽油に比べて
硫黄酸化物の排出を削減することが出来ます。
バイオガス‥‥‥‥家畜の排せつ物、生ごみなど有機性廃棄物を微生物によっ
て発酵させて生じるガスで主な成分はメタンガスです。燃
焼させ電力を得て、発電や熱供給に使用されています。
バイオ燃料を使用するメリットとして
1バイオ燃料は再生可能エネルギーです。
2安定的に供給でき太陽光や風力のように天気に影響を受けにくい。
3バイオ燃料はカーボンニュートラルな点です。
自然の力を最大限に利用した、環境にやさしくクリーンなエネルギーとしてバイオマス燃料の研究が進められています。木くず、廃材、生ごみ、下水汚泥、家畜の糞尿など処分される原料を使ったバイオ燃料は、エネルギー問題もごみ問題も解決できる有効な方法として、本格的な実用が待たれ、普及が期待されます。
バイオマス燃料は、再生可能エネルギーとして「太陽光」「地熱」「風力」と並んで研究開発に取り組んでいる分野です。石油を大量に消費する時代からバイオマスから得られるバイオ燃料を本格的に利用する時代へ変化しようとしています。