地球温暖化
2021年4月16日
地球温暖化とは、大気中にある二酸化炭素(CO2)やフロン、メタンなどの「温室効果ガス」(GHG:GreenHouseGases)の濃度が何らかの原因で高くなり平均気温(地上気温、海面気温)が上昇する現象を言います。中でも石油、石炭など化石燃料の燃焼によって排出される二酸化炭素が一番の原因とされています。温室効果ガスの濃度が上昇し続けると21世紀末には平均気温が最大5℃上昇すると報告されています。
地球温暖化は、気温を上昇させるだけでなく、地球全体の気候を大きく変える「気候変動」を引き起こします。地球規模で気温が上昇すると、海水の膨張や氷河の融解などにより海水面の上昇や、気候メカニズムの変化により、大型台風の発生、異常高温など異常気象が頻発し、自然生態系や生活環境、水不足による農業への影響、生物多様性の損失などが懸念されます。既に世界各地では、自然環境や人々の暮らしに様々な影響や被害が出始めており、その深刻さから「気候危機」という言葉も使われるようになりました。温暖化対策を十分に行わない場合、さらに重大化し取り返しのつかない被害をもたらす危険性が指摘されています。
地球温暖化の進行を食い止めるためには、二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスの排出量の大幅削減が必要となります。その為には、石油、石炭、天然ガスなど化石燃料に依存した社会の在り方を変え、「脱炭素化」の方向を目指すことが重要です。地球温暖化対策を求められるのは政府、企業だけでなく、家庭から排出される二酸化炭素の量も小さいものではありません。暮らしで使用する電気を再生可能エネルギーに変えたり、ゴミの分別回収など小さな省エネの工夫も地球温暖化防止に役立ちます。
世界では、二酸化炭素(温室効果ガス)をいかに減らすかを議論するため1997年京都で京都議定書がCOP3(国連気候変動枠組条約締約国会議、先進3か国)で採択され、その後世界中の国々及び地域が温暖化問題を話し合うようになり、2015年パリで行われたCOP21(発展途上国を含む世界全体)でパリ協定が採択されました。パリ協定により、世界全体の目標と各国の二酸化炭素排出の削減目標が決られました。今後、二酸化炭素排出規制、脱炭素社会に向けての動きが活発になると思われます。
1970年以降、地球温暖化ガスである二酸化炭素の排出量は増え続け、森林や海洋など自然界が吸収する量をはるかに上回っています。排出と吸収のバランスが地球の環境の中で自然に循環できるレベルまで二酸化炭素の排出を削減していかなければ、温暖化は止めることはできません。