先端半導体の開発で日米が連携
2022年10月7日
(基盤 イメージ画像)
2022年8月上旬執筆現在、日本とアメリカで2nmの先端半導体を連携して開発することが決まったと報じられています。
なぜ2nmからの先端半導体開発・生産の目標が定められたかは筆者には不明です。
先端半導体を巡っては、アメリカと日本の研究開発の化学反応で独自の技術進化を遂げられるかが重視されているようです。
今後の電気自動車化などのトレンドもあり自力の先端半導体供給網の構築が重要視されてもいると考えられます。
残念なことに日本国内での半導体の生産は40nmクラスの半導体製造に技術的にとどまっており、課題は山積です。
そしてTSMCが日本で新設する半導体の製造拠点では22nm・28nmの半導体の製造をする計画であるといいます。
技術的には世界最先端を行く台湾のTSMCの生産技術に対して10年規模の遅れをとっているという指摘もあります。
40nmから2nmまでの技術進化はいくつもの大きな技術開発の技術的な転換点があり、その技術的課題を乗り越えられなければ最先端半導体の2nmプロセスルールの生産まで到達することは難しいと見られています。
それでも日本的にはTSMCのおかげで一歩、先端半導体生産に向けて歩みを進められるということにはなると考えられます。
半導体の不足は自動車製造の分野でも深刻な懸念材料となっており、半導体の新拠点からの増産は歓迎すべきなのではないかとも考えられます。
日本は国内に台湾のTSMCという世界最大手の最先端半導体メーカーの生産工場誘致をし補助金を約5000億円支援することを決めています。
アメリカも先端半導体の国内生産の工場拠点誘致に日本円で約7兆円弱の補助金をTSMCなど半導体メーカーに出すことを議会で可決しています。
大規模な投資を大胆にしなければならないほど、TSMCなどの最先端品の製造技術が世界で抜きん出ているということなのだろうと考えられます。
投資が有意義であったとのちに振り返ることができるよう日米の半導体の製造技術の進歩も期待したいと考えます。
最先端半導体の製造についてはTSMCなど台湾のメーカーが最も主要なシェアを占めています。
半導体の超微細化・高機能化の開発では台湾と韓国のメーカーが突出しています。
電気自動車化で自動車のものづくりが変貌を遂げている中、経済安全保障的な見方でも自国に半導体の進んだ生産拠点を保有しておくことは非常に重要視されていると考えられます。
欧米のメーカーが優れた設計をし、それを工場生産で実際に製品を製造し具現化する技術をTSMCをはじめとする先進メーカーは休むことなく追求し続けています。
いきなりその先に行くことは難しくともその輪に入ることは重要なことなのかもしれません。