植物工場システム
2013年11月29日
食の安全・安心の確保が課題となっている昨今、食の安定供給という問題の解決に向けても取り組んでいかなければなりません。
こうした状況を背景に注目されているのが植物工場です。
植物工場最大の特徴は光や空調などを人工的にコントロールしながら、季節や天候に関係なく野菜を安定的に生産できるということ。
また、クリーンルームに設置する完全制御型の植物工場では無農薬栽培も可能なのです。
【人工光で効率よく】
植物工場は高度な環境制御を行うことによって、野菜をはじめとする植物を周年・計画生産する栽培施設で、
新鮮、清潔、無農薬など、植物工場によって生産される野菜には高い付加価値があるといえます。
植物工場は栽培に利用する光源によって、「太陽光利用型」「完全制御型」の二つに分けることができます。
「太陽光利用型」はビニールハウスでの栽培や水耕栽培が進化した感じで、ガラスハウスなどに太陽光を取り込み、空調を制御して栽培を行います。
太陽光利用型はナスやトマトなどの果菜類の生産に適している。
「完全制御型」はクリーンルーム、あるいはクリーンルームに近い清浄環境で蛍光灯や発光ダイオード(LED)といった人工光の下で生産を行う方式です。
「完全制御型」は完全無農薬で、天候に左右されない安定した栽培が可能で、生産に適しているのはレタスやハーブなどの葉菜類です。
完全制御型の中でも省スペースに設置可能な多段栽培システムは生産効率が高いことから普及が進んでいます。
【安全・安心 安定供給も】
最近、高温・少雨、ゲリラ豪雨、竜巻など、気象の異常現象が増加しています。
異常気象が続いた結果、レタスやキャベツといった葉物野菜生産量の落ち込みから価格が高騰した事もあります。
豊作時の2倍を超える小売価格になった商品もありました。
こうした問題のソリューションとなるのが、天候に左右されない完全制御型の植物工場であり、
植物工場は食の安心・安全確保のみならず、食糧自給率の向上と食の安定供給手段として有効だといえるでしょう。