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TSMC欧州に非先端品半導体製造拠点を新設

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2023年8月8日、台湾積体電路製造TSMCはドイツに生産拠点を新設することを発表しました。
TSMCにとっては欧州地域では初となる半導体製造拠点となります。
この欧州初のTSMCの新工場では12~28nmナノメートルの非先端品半導体の生産をしていく計画のようです。
欧州で主にEV電気自動車搭載向けの半導体の供給を担うと考えられます。

TSMCは今年秋頃にリリースされるiPhone15Proシリーズなどの機種、
Macbookシリーズに、それぞれ3nmの現行の最先端半導体を搭載すると言われています。
また、TSMCは2025年に2nmの最先端半導体チップを台湾の新竹県の拠点で量産を始める計画です。
TSMCは新竹県以外にも台湾内に新たにもう2拠点2nmプロセスの半導体製造拠点を新設する計画であるといいます。

2023年8月執筆現在、TSMCは半導体製造の最先端品はすべて台湾内で生産しています。
今後も台湾で超微細かつ高性能な最先端半導体の製造を専門的に担っていく計画のようです。
TSMCの半導体の供給網は近い将来には米国、日本、そして欧州ドイツに新設される計画です。
供給リスクの分散化は顧客企業などからも求められている面もあり、TSMCもそのニーズに対応していくものと考えられます。
米アップルやエヌビディアなど現在先端半導体開発のトップに君臨している企業の半導体の受託製造を専門的に担っていることは偉業です。

最先端半導体は製造業の分野では成長・収益を得る原資となっているため、欧米、日本なども台湾のTSMCの製造の力を借りなければなりません。
TSMCは米国ではアリゾナ州で3nmの先端半導体の製造を2026年から開始する計画です。
安全保障上の観点・背景もあって、TSMCは米国では一歩踏み込んだ生産体制を組むようです。
政策によって日米欧の半導体製造の自国誘致にひとまずはTSMCが応じてくれる模様です。
生成AIにも多くの先端半導体が求められていく需要のトレンドも予測され、
半導体開発・製造分野の動向は市場の注目を集めると考えられます。
ITテック大手の経営者が生成AIの開発・導入に魅せられている現在、その技術基盤の背景にTSMCの大きな存在が欠かせなくなっています。