水素利用、GX経済移行債について
2024年4月19日
水の電気分解で製造する水素
水に電気を流すと水が電気分解されて水素と酸素が発生します。
この原理を活用した水素の製造方法がトヨタ自動車などの大手メーカーで研究・開発が進んでいるようです。
トヨタ自動車と千代田化工建設は2024年2月5日、水素の製造システムを共同開発することを発表しました。
2025年度からトヨタの本社工場で実証実験を開始し、2027年度頃にシステムの外販を目指すといいます。
この2025年度から開始する実証実験でトヨタ自社工場内での水素の活用を開始する計画です。
製鉄に水素の活用などを国が支援
2024年2月上旬、GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債の発行について報じられました。
日本政府が2023年度から10年間で総額20兆円規模のGX経済移行債を発行して脱炭素化へ向けた実際の研究・開発を支援する計画であるようです。
2024年2月上旬時点でこのGX経済移行債の主要な支援対象に製鉄工程の水素活用や電気自動車搭載向け蓄電池、
次世代半導体などの研究開発等がなっていることが明らかとなっています。
水素・次世代車載電池・次世代半導体は日本の製造業の将来を左右する重要な製品であると考えられます。
まずは水素の調達・量産を目指した取り組みが2020年代後半から加速しそうです。
また、製造業の中で製鉄が製造過程で大量の二酸化炭素を排出していることが課題視されています。
脱炭素社会の実現に向けて、脱炭素電源で電気を調達すること、水の電気分解で水素を調達すること、
燃料を水素に徐々に代替していく技術の実用化・実現などが目下熱い課題であると考えられます。
来るべき電気自動車の普及時代
電力供給が脱炭素化へ向かえば、自ずと電気自動車バッテリーEVの本格的な普及の将来が現実的となってきそうです。
脱炭素化へ向けた具体的な取り組みは大手メーカーによって示されてきています。
いきなり電気自動車へ舵を切りすぎると電気自動車への必要電力供給量が増大し、電気の需給バランスをとる現実の課題が浮上すると考えられます。
電気自動車化に一気に振れると、電力供給網が弱い国や地域では問題が出てくるとも考えられます。
そうした場合に、現実解として水素の燃料としての活用、水素燃料電池車の活躍、
脱炭素化電源の主力電源化がまずは基礎として必要となり改めて考えさせられるのではないかと考えられます。