アレルギーと食品製造業の取り組み
2014年9月19日
食物アレルギーによる「アナフィラキシ―ショック」は程度の差はあれどつらいものです。
子供さんにアレルギーがある方も、ご自身がアレルギーをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
私もクリニックで33種類のアレルギー検査をして結果はほぼ全滅状態でした。
特定の食品を摂取することで「急性の下痢(粘液まで出尽くすような)」「発疹」を発症してしまい大変苦しんでおります。
学校給食の材料でアレルギー反応を起こすものがあればその子供さんは発症してしまうでしょう。
各学校には即座に対応できるように「エピペン」というアレルギー症状(アナフィラキシ―ショック:意識低下・血圧の低下・全身の倦怠感)を抑えるアドレナリン製剤の注射が常備されているようです。
※「エピペン」の効果は約15分間です。救急車の到着までの応急措置として、発症したら迷わず即使用が望ましいとされています。
また、食品製造業界も「表示による注意喚起」「ラインの区分け」「代替素材の使用」などといった取り組みや工夫をされています。
食品衛生法によって表示が義務づけられた特定原材料7品目(小麦、そば、卵、乳、落花生、えび、かに)は商品ラベルに記載されています。
従来の小麦の替わりにタピオカなどのデンプンなどを使用してとろみを出したりして子供用の「カレー」「シチュー」などを製造しているようです。
見た目も食感も崩さずに同じものを食べる楽しみを提供するのもメーカーさんの努力あってのものです。
パンなどでも小麦粉で製造していた製品を「米粉」に切り替えたりしているのはご存知でしょう。
年代によるアレルギー症状の違いもあるようですので、それに合わせた製品開発もされています。
例えば、乳幼児には「卵や乳製品」による食物アレルギー、ダニ・ハウスダストなどのアトピー性皮膚炎が目立つのですが、年齢が進むにつれ喘息などの呼吸器の症状や花粉症(アレルギー性鼻炎)などとその原因や症状も変化していくそうです。
・乳幼児期~学童期 — アトピー性皮膚炎・食物アレルギー
・それ以降(~成人) — 気管支炎・喘息などの呼吸器疾患や「春のスギ・ヒノキ花粉」「秋のイネ科・ブタクサ」によるアレルギー性鼻炎
「ピーナツ(落花生)」や「甲殻類(魚介類)」などといった大人になってから発症しやすいアレルギー物質も気をつけたいですね。
全体で見ても特に「甲殻類」「小麦」はほとんどの年齢層で「アレルギー発症原因」として該当しています。
食品製造は衛生面の徹底などやらなくてはならないものが多いですが、アレルギー対応の食品開発・製造は幼児から大人までニーズの幅の広いカテゴリーとなっていくのではないでしょうか。