“軽くて、薄くて、暖かい” 機能的な繊維の仕組み
2015年4月21日
寒い時期には何枚も重ね着をして過ごしますが「動きづらい」のが欠点でした。
しかし今では各メーカーさんは「発熱繊維」を使用したインナーなどを販売されています。
これらの繊維には「吸湿発熱繊維」「蓄熱保温繊維」「遠赤外線繊維」などといった種類があります。
昔から体から発散された熱を外へ逃がさないように、アルミや羽毛・中綿繊維などにより保温(蓄熱)するようにしていました。
素材には「アルミの裏地」や「カーボンやセラミクス」「ナイロンやポリエステルなど」の合成繊維などを使用して、保温や防寒にはとても心強いのですが「重さ」「動きやすさ」「肌触り」にそれぞれ特徴も出てきます。
*** 素材の特徴…
発熱素材といわれる繊維は、わたしたちの体から発散される「熱」や「水分(汗など)」、外気の作用によって「保温」や「熱に変換」をして暖かさを維持しています。
太陽光(環境)による発熱・・・太陽光による熱を蓄熱するもの
遠赤外線による発熱・・・セラミクスなどの素材を練りこんだ繊維により熱変換をするもの
吸湿発熱・・・涼しく感じるのは、汗などの水分が蒸発(気化)するためです。
この性質は「逆に水分を吸着(吸水)すると発熱する」特性を示します。
ただ、水分を吸収し続ければ冷えてきますので「汗などの水分は外へ」という通気性もよくしておく必要があります。
通気性・吸湿性も良ければ発熱性能も長く発揮できるということです。
*** 製造過程での工夫…
断熱材でも同じような構造をしているものがありますが、芯が空の状態(ストローのような)の繊維を作ることで暖気を逃さない方法もあります。
これは繊維一本一本に孔があいているものや、ある繊維を別の性質を持った繊維と一緒に撚糸(糸を撚る)をすることで、後から「加熱」「水(溶液)で溶かす」などをして繊維に孔(空間?)をあける工夫もされています。
この吸湿性能は吸水性能でもあります、バスタオルなど心地よい使用感で今ネットでも話題となっています。
*** 繊維の進化など…
繊維の素材自体に温度による性質の変わる性能を持たせることで温度の調整ができるものも開発されています。
この素材は、熱を吸収して温度が上がると液体になる、その熱を放出することで冷えて固体になっていく。
また、温度が下がって固体になっていく際に変性して熱を発散する(発熱)というものです。
素材自身がさらされている状況で温度の変化「冷却」「発熱」をするというのはスゴイ!!!
寒い時期には「冷たい肌触り」ってイヤですが、ストーブにかざして暖めながら着込んでいた「昭和」の頃が懐かしい…