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ステンレス鋼のクロム含有量

ステンレス鋼(ステンレススチール)のクロム含有量は、通常10.5%以上とされています。クロムの含有量が10.5%以上であることにより、ステンレス鋼は耐食性を得られ、錆びにくくなります。一般的に、クロムの含有量が増えるほど耐食性が向上しますが、通常は10.5%〜30%の範囲で調整されます。

例えば:

・オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304など): 約18%のクロムを含む

・フェライト系ステンレス鋼(SUS430など): 約11〜17%のクロムを含む

・マルテンサイト系ステンレス鋼: 12〜14%のクロムを含む

クロムは酸素と結びついて表面に不動態皮膜を形成し、これが酸化を防ぐため、ステンレス鋼の耐食性が高まります。

 

<酸化皮膜について>

酸化皮膜は、金属の表面に形成される酸化物の薄い層を指します。酸素と金属が反応してできるこの皮膜は、金属の腐食を防ぐ役割を果たすため、腐食耐性を向上させる重要な機能を持ちます。たとえば、アルミニウムやチタンは自然に酸化皮膜を形成し、この皮膜が酸素や水分の侵入を防ぐことで、金属自体の劣化を遅らせます。

酸化皮膜はまた、化学的または電気的なプロセス(例:陽極酸化処理)によって強化することも可能です。陽極酸化処理では、電気的な反応を利用して皮膜の厚さや硬さを調整し、さらなる保護効果や装飾性を持たせることができます。このため、自動車部品や航空機部品、電子機器など幅広い分野で活用されています。