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次世代半導体、次世代EV電気自動車のものづくり

次世代半導体国産化を目指す動きが2022年11月中旬に報じられています。
トヨタ自動車やNTT、ソニーグループ、NEC、ソフトバンク、デンソー、キオクシア、三菱UFJ銀行などが新会社に出資・協力することが報じられています。
その新会社はRapidusラピダスという名前です。
このラピダスは2027年、2020年代後半には次世代の半導体を製造できるようにしていく計画であるようです。
技術的には2nmナノメートルのロジック(演算用)半導体を製造する目標を掲げています。

2022年11月執筆現在、超微細化の先端半導体製造で活躍しているのは台湾のTSMCや韓国のサムスンなどです。
TSMCやサムスンは2025年には2nmプロセスルールの先端半導体の量産をしていく計画で開発が進行しているといいます。
日本国内では熊本に12~28nmのプロセスルールのTSMCの半導体製造拠点が建設されます。
また、日米で連携して半導体の研究開発組織の立ち上げが決まっています。
さらには2022年10月には岸田総理が次世代半導体開発に1.3兆円の支援をすることを表明しています。
日米で2nmプロセスルールの先端演算用ロジック半導体を製造可能にすることを目指すことで合意を得たとも報じられています。

トヨタやソニー、デンソーなどクルマ製造メーカーやITメーカーが次世代半導体の製造に向けた新会社で共同開発することが発表されたことは意義深いと考えます。
クルマの電気自動車化や自動運転システムの導入にはより多くの半導体製品の搭載が必要となってくると考えられるためです。
電気自動車にOSが搭載されることも想定されます。
最近ではVOLVOからGoogleを搭載したクルマが発売されています。
ルノーもGoogleのOSを搭載した電気自動車を開発したい意向を表明しています。
日産や三菱も同様にGoogleのOSを搭載して開発していくことに合意できるかは2022年11月現在のところ未だ不明です。
トヨタ自動車はアリーンという独自の車載OSを2025年にもリリースする計画であるといいます。

電気自動車や次世代半導体の製造は2025年から2030年に向けて目覚ましい進化が期待されます。
現在のところ日本の製造分野においては最先端半導体の量産・開発は台湾や韓国の先端メーカーに追いつくことは簡単にはいかないと想像します。
ですが自動車製造からのさまざまなものづくりからの道筋での技術進化は2025年から2030年までには一定以上の結果を望むことができるのではないかと期待されます。
他方で、日本では半導体の製造工程で活用される半導体製造装置や材料などの生産供給で活躍している専門メーカーも存在しています。