ガスタービン・コンバインドサイクル（GTCC: Gas Turbine Combined Cycle）は、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせて効率的にエネルギーを利用する発電方式です。この方式は、ガスタービンからの排熱を利用して蒸気を発生させ、その蒸気で蒸気タービンを駆動することで、エネルギー効率を大幅に向上させることができます。

主な構成

1.ガスタービン

・空気と燃料を燃焼させて高温・高圧のガスを作り出し、そのエネルギーでタービンを回転させます。この段階で電力の大部分が発生します。

2.排熱回収ボイラー（HRSG: Heat Recovery Steam Generator）

・ガスタービンから排出された高温ガスを利用して水を加熱し、蒸気を発生させます。

3.蒸気タービン

・HRSGで生成された蒸気を使用してタービンを回転させ、追加の電力を生成します。

4.発電機

・ガスタービンおよび蒸気タービンの回転運動を電力に変換します。

特徴

・高効率: 単独のガスタービン発電よりもエネルギー変換効率が高く、効率は50〜60%を超える場合もあります。

・低環境負荷: 燃料の使用効率が高いため、CO₂排出量が削減されます。

・柔軟性: 負荷変動に迅速に対応可能で、再生可能エネルギーと併用する場合にも適しています。

応用分野

GTCCは主に発電所で使用されますが、工場や都市部のエネルギー供給システムとしても利用されています。また、天然ガスや液化石油ガス（LPG）を燃料とするため、石炭火力よりも環境にやさしいとされています。