ブートストラップ回路(bootstrap circuit)とは、主に電源回路や増幅器回路などで使用される技術で、効率の向上や性能の改善をのために使われる回路設計の手法の一つです。電子回路におけるブートストラップ回路は、特定の状況で電圧や電流を向上させたり、より高い動作範囲を得たりするために利用されます。
一般的な用途
1.オペアンプの入力上限の向上のためにオペアンプの入力上限を 高めるためにブートストラップ回路が使われることがあります。 通常、回路内の容量を用いて、動作する入力電圧に追従させることで入力上限が向上します。
2.特に、MOSFETなどのスイッチング 素子のゲートに必要な電圧を供給するためにブートストラップ回路を組み込むことで、高電圧側でも動作可能です。
3.クラスABパワーアンプの線形性の向上 パワーアンプで出力段の線形性を改善するために、ブートストラップ回路が使われることがあります。出力トランジスタのエミッタ抵抗の影響を軽減し、より良好な動作特性を得られるようにします。
ブートストラップ回路の基本原理
ブートストラップ回路の基本的な考え方は、外部から供給される電源に加えて、動作中の回路自体の一部をフィードバックとして利用し、電圧や電流の動作範囲を広げることです。では、コンデンサに一時的にエネルギーを足りて、それを使ってトランジスタやMOSFETのゲートに必要な電圧を供給します。これにより、より高い電源電圧での動作が可能になります。
回路構成・
コンデンサを使用したブートストラップ回路 コンデンサ
を利用して、ゲートドライブの電圧を一時的に増強するタイプの回路。
・アクティブブートストラップ
トランジスタやMOSFETを用いて、動的電流を制御するブートストラップ回路。
ブートストラップ回路は、電子機器の効率向上や動作範囲拡大のために、様々な分野で使用されている非常に有用な技術です。
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