水中音響センサー
2025年3月12日
<例>水中音響センサー装備銘板
アルミエッチング、防衛省仕様
水中音響センサー(Underwater Acoustic Sensor)は、水中で音波を利用して情報を取得するセンサーの総称です。主に以下の用途で使用されます。
1. 水中音響センサーの用途
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ソナー(SONAR)
- 船舶や潜水艦の周囲環境を探知(アクティブソナー、パッシブソナー)
- 水中の障害物や海底地形の測定
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水中通信
- ダイバー、潜水艦、無人水中ビークル(UUV)間の通信
- 水中インフラ(海底油田・ガス田、海洋モニタリングシステム)でのデータ送信
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魚群探知
- 漁業での魚群の探索
- 魚の個体識別や行動研究
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環境モニタリング
- 水質調査(プランクトンの音響散乱、濁度測定)
- 気候変動の観測(海洋温度、流れ、潮流の解析)
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水中ロボットのナビゲーション
- AUV(自律型無人潜水機)やROV(遠隔操作型無人潜水機)の位置測定
- 水中マッピング(海底地形の3Dスキャン)
2. 主要な水中音響センサーの種類
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ハイドロフォン(Hydrophone)
- 受動的に水中の音を拾うセンサー(パッシブソナーで使用)
- イルカやクジラの生態研究、地震波(津波)観測にも利用
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トランスデューサ(Transducer)
- 音波の送信・受信を行う装置(アクティブソナーで使用)
- ピエゾ素子を用いたものが一般的
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ドップラー音響流速計(ADCP, Acoustic Doppler Current Profiler)
- 水の流速を測定する装置(海洋調査、ダム管理)
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マルチビームエコーサウンダー(MBES, Multi-Beam Echo Sounder)
- 海底地形の高精度マッピングに使用
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サイドスキャンソナー(Side Scan Sonar)
- 水中の物体や地形を広範囲に映像化
3. AI・ロボットとの関連
最近では、AIを活用した水中音響センサーの解析技術が進化しています。
- AIによるソナー信号の自動解析(物体認識・分類)
- 水中ロボット(AUV、ROV)へのAIベースの自律航行制御
- 機械学習を用いた魚群探知や環境モニタリングの精度向上
水中音響センサーとAI技術を組み合わせることで、無人探査の自動化やリアルタイム解析の精度向上が期待されています。
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